第214回(7/25)

実は壊れやスイゾウ!?暗黒の臓器・すい臓の真実

ゲスト 辺見マリ プレゼンター 深沢邦之

すい臓は長さおよそ15p、重さは60g程で胃の裏側にあります。異常が見つかりにくく治療が難しいため、「沈黙の臓器」、「暗黒の臓器」などと呼ばれる事もあります。

すい臓の働きその(1)「消化」

すい臓は、消化液「すい液」で食べ物の消化をしています。消化といえば「胃液」というイメージもあるかと思いますが、すい液は炭水化物、タンパク質、脂肪を分解する全ての消化酵素を含んだ、いわばオールマイティな消化液。胃液だけでは分解できない栄養素の消化を、すい臓が行っているのです。しかし、このように強力な消化力を持つすい液が、ある理由で活性化し、すい臓自身を自己消化してしまうことがあります。これが「急性すい炎」です。

急性すい炎

近年増加している急性すい炎。発症年齢のピークは男性が50代、女性が70代で、男性の方が2倍程度多いと言われています。患者数は年間約3万5千人で、2割の方が重症、そのうち1割の方は死亡しています。
原因の一つがアルコール。1日のアルコール摂取量60g以上を毎日飲んでいる方は急性すい炎の危険が高まります。これはビールなら中瓶3本、日本酒なら3合以上にあたります。
もう一つの原因が胆石。胆石が原因の急性すい炎は女性に多いのが特徴です。

すい臓の働きその(2)「血糖値の調節」

すい臓の中にある直径0.1o程の、「ランゲルハンス島」と呼ばれる小さな器官。ここで、血糖値を下げるホルモン、インスリンが作られています。しかし、肥満などでランゲルハンス島の機能が下がるとインスリンの分泌も低下し、血糖値が上昇。糖尿病になってしまいます。
また糖尿病があると、すい臓がんが出来やすいと言われています。

すい臓がん

胃や肺ほど患者数は多くないものの、すい臓は臓器別死亡数では第5位。最も治療困難ながんとも言われています。
すい臓は身体の奥深くにあって自覚症状が出にくいため早期発見が難しく、さらにがん細胞が増殖や転移しやすいという特徴があるのです。
症状が出た時には既に進行がんで、3分の2は手術ができない段階で見つかり、診断された時点で転移していることも多いため、すい臓を切除することさえできないのだそうです。

喫煙や肥満もすい臓がんの危険因子ですが、家族歴がある場合も高く、両親、兄弟に患者さんがいる場合、普通の方と比べて13倍もリスクが高まります。
最初はほとんど症状がでないため見つけるのは難しいのですが、人間ドックの血液検査や、超音波検査でもすい臓の異変を発見することができます。
普段から脂肪の摂り過ぎに注意し、バランスの良い食事を心がけましょう。