第181回(11/22)

沈黙の臓器の声を聞け!腎臓の働き大研究

ゲスト 浅茅陽子 プレゼンター 半田健人

汚れた血液をろ過して、きれいにしてくれる腎臓。
その腎臓の機能が低下することで起こる「慢性腎臓病」が、今新たな国民病と呼ばれ、注目されています。

腎臓のろ過機能

腎臓は血液中の成分を、それぞれの分子の大きさによって選別しています。
その働きをしてくれるのは、「糸球体(しきゅうたい)」と呼ばれる、腎臓の中にある毛細血管の束。この糸球体のろ過膜が、血液をきれいにするという、腎臓の重要な役割を担っています。
しかし糸球体が傷つくと、ろ過膜の穴が大きくなり、体に必要なタンパク質などの栄養分や、血液の成分などが尿として排出されてしまいます。これが腎機能低下の初期症状として見られる、タンパク尿や血尿の原因です。

糸球体が壊れる原因

(1)塩分の摂り過ぎ
   塩分を多く摂ると、血液の量が増えて高血圧になります。この状態が続くと血管が常に圧迫され、血管の壁に
   傷がつきます。毛細血管の塊である糸球体は特に傷がつき易く、ろ過膜の穴が大きくなってしまうのです。
(2)血糖値の高さ
   血糖値が高くなると、腎臓へたくさんの血液が流れ込んで、腎臓に過度の負担がかかることになります。また、
   血糖は一部のタンパク質や脂肪酸などの体に必要な成分を、ストレス物質に変えてしまいます。これが血管の
   壁を攻撃するため、糸球体のろ過膜の穴が大きくなるのです。

慢性腎臓病のサインを見つけるチェックポイント

(1)尿が赤っぽい。尿が泡立つ。
   血尿やタンパク尿の疑いがあります。
(2)夜中に2回以上トイレに行く。
   腎機能が低下すると、尿を濃縮する力が落ち、尿量が増加します。
(3)靴や指輪がきつくなった。
   むくみのチェックポイントは、くるぶし。くるぶしを強く押した時に、皮膚がへこんでしばらく元にもどらないなどの
   症状があります。

以上の項目に2つ以上当てはまると、腎臓の機能が低下している可能性があります。慢性腎臓病は症状が出にくいので、定期的に健康診断や検査を受ける事が大切です。

治療法

失われた腎機能は、元に戻る事はありません。そのため、今までの腎臓の機能の役割を肩代わりしてくる治療法を始める事になります。
(1)血液透析
   血液を体外に出し、人工腎臓を使って老廃物を取り除いた後、再び血液を体に戻す方法です。
   透析施設へ週3回ほど通う必要が有り、1回の透析に4〜5時間かかります。
(2)腹膜透析
   お腹に埋め込んだチューブを使って、透析液を体内に注入し、汚れた透析液を体外に排出することで、血液を
   きれいな状態に保ちます。これを自宅で1日に4回行います。排液から注液まで約30分かかります。

また、透析療法以外にも、健全な腎臓を移植する腎移植もあります。現代では自分のライフスタイルにあった治療法を選ぶ事が可能となっています。