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特集アーカイブ 5時台特集

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2017年7月3日

こころの歳時記 7月

取材先 / 伊勢神宮(内宮、外宮)、
神宮宮域林、など
所在地 / 三重県伊勢市・明和町・熊野市・
瀬戸市・京都府木津川市など各地
連絡先 / 神宮司廳(非公開)

このコーナーは7月の歳時記を、伊勢神宮の神事や「俳句」、「やまと言葉」と共に、美しい映像で表現しようと試みた「映像歳時記」。
今年の7月7日は二十四節気の小暑。これから梅雨が明け、本格的に暑くなる季節のはじまり。梅雨終盤の雷を伴った大雨が降ることも多い。
イナヅマは昔から稲を豊かに実らせるといわれ「稲妻」の字を当てられた。
稲妻のエネルギーが空気中の窒素を水に溶ける窒素酸化物に変え、雨と共に田んぼに入って窒素肥料となり、稲の成長に有効であるという学説もある。
農薬が普及する以前は、稲の害虫を、松明の火と鉦や太鼓の音などで追い払おうという「虫送り」の行事が、初夏から晩夏にかけて全国で行われてきた。今も三重県熊野市の丸山千枚田や一部地方で、伝統行事として催されている。
七月中旬、伊勢市の宮川のほとりで、伊勢神宮奉納全国花火大会が開かれる。
この頃になると、神宮の森にも哀愁あるヒグラシの声が響き始める。
梅雨が明けると生きものたちは活発に食べ物を摂る。人にとっても、夏野菜は体を冷やすと言われ、昔から瓜や茄が夏の食材として愛されてきた。
伊勢神宮では約1500年前から神様にお食事を捧げる神事、日(ひ)別(ごと)朝夕(あさゆう)大御饌(おおみけ)祭(さい)が毎日欠かさず続けられている。神聖な水は毎日井戸から汲み上げられ、調理するための火も、火鑚(ひきり)具(ぐ)を使った古式ゆかしい方法で熾(おこ)される。
今年の7月23日は二十四節気の「大暑」。一年で一番暑い季節だが、巨木に囲まれた神宮は涼しい。内宮の背後に広がる神宮宮域林の豊かな森は、雨水を蓄え、至る所で水が湧きだし、多様な生きものを育んでいる。
また、湧きだした水が作る五十鈴川の様々な「水景色」は、涼しくも美しい。