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あらすじ

愛知県奥三河の古い造り酒屋「白山酒造」で法事が行われている。人々の話題はこの村に鎌倉時代から伝わる「花祭」が今年開かれるかどうかということ。過疎に直面しているこの村では、毎年祭りの担い手がどんどんいなくなり、いよいよ今年は実施することが出来なくなるかもしれないのだ。白山酒造は代々この祭りの花太夫という役職を務める家柄で、80才を超える当主の白山乙弥と孫娘の茜が酒屋を切り盛りしている。法事のために帰省した父、宝介と兄の伸吾は酒屋を乙弥の代で廃業し、茜に東京の予備校に通い大学に入るよう勧めるが、茜は東京ではなく名古屋でブライダルプランナーになりたいと言って譲らない。

村の人口減少は深刻で、白山家の分家で役場の助役を務める白山幸次郎は、ついに花祭の中止もやむなしと乙弥に伝える。「どうしてもやれんかい」と力なく呟く乙弥だったが、茜は「人集めをするから中止宣言を出さないで」と強く幸次郎に言い寄る。

茜は村に残る同級生たちに祭りを続けるために人集めを頼み、香田透や寺内達夫は快諾する。二人は密かに白山酒造の跡取である茜と結婚することを願っており、そのことで村での生活を磐石にしようと考えていたのだ。

しかし、製材所に勤める陽助は恋人のケイを又一に奪われたショックから腑抜けになっており、祭りには参加しないし人集めにも協力しないと言い、しかも榊鬼の踊り手、陽助の祖父、伝三郎も身体が悪く踊れないと言い放つ。榊鬼がいなくては祭りが出来ないため、透と達夫は諦めようと言うが茜は絶対に諦めないと言う。その理由を名古屋のブライダル専門学校に行くため祭りに参加できるのが今年で最後だからと聞き、酒屋を継ぐ目論見が外れた二人は落ち込む。しかし、茜の本心は実は違う所にあるようで…。

人集めに奔走しながら、祭りへの思いを募らせる茜の元に届いた一通のメールを見て茜の目が輝く。それは名古屋の中学教師、及川栄作からのメールだった。茜が祭りをやりたい本当の理由。それは、毎年祭りにやってくる及川に会いたい一心だったのだ。及川のメールによると榊鬼の面にそっくりの鬼の面を名古屋の居酒屋で見たと言う。驚いた茜は乙弥と一緒に面の保管場所に向かう。すると、面がない。榊鬼は誰かに盗まれたていたのだ。榊鬼を取り戻すため名古屋に向かう茜…。

果たして茜は榊鬼を取り戻すことが出来るのか。祭りの伝統を守ることが出来るのか。そして、最後に茜が下す決断とは・・・。