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メッセージ

権藤明子役:高畑淳子さん

高畑淳子さん

前作を振り返っていかがですか?

今回、撮影途中に2日間お休みがあったので前作を見直してみましたが、自分が演じたことも忘れて感動してしまいました。(2007年)当時は、自分が演じた実感が残っていたために気付かなかったんですが、改めて冷静に見てみると、ものすごくいい作品だなぁと。プロデューサーが撮ろうと意図していることもよく理解できたので、その後の撮影では、改めて気合が入りましたね。

大沼さんのような寛容な保護司を演じるに当っていかがでしたか?

前回は大沼さんに「恐くないんですか?」などいろいろと質問しましたが、今回はそういう疑問は全くなかったです。根っこの部分で、こういう人がいるんだなってことを(前作を演じたことで)理解しちゃったんだと思います。

前回もそうでしたが、素朴に演じないと説教臭くなってしまうし、見ている方に「そんな人いるの?」って思われてしまうとダメなので、演技はできるだけ削ぎ落として、削ぎ落として、シンプルに演じたいと思いました。ただその裏で、大沼さんが考えていたことは何だったのだろうかということをいっぱい考えました。

保護司・権藤明子役を通して、私生活で思うところは?

今回の主人公に近い歳の息子を抱え、思春期の子と闘う親として今、四苦八苦しています。今作は、働く親と娘の話だったので、明子の言葉を借りながら、自分がそれを聞いているような気がしました。

「こどもは放っとけばいいんですよ、見守ってればいいんです。つかず離れずに」なんていうセリフは、この時期にこの作品と出会うことが出来てよかったと思うセリフでした。

他にも明子のセリフで、「自分の人生でこどもを振り回していませんか?自分が幸せならこどもも幸せと思っていませんか。自分とこどもは、人格も性格も思いも別なんですよ」というのがあるんですが、このセリフは自分も耳が痛かったです。

前作は最初の台本読みのときに泣けてしまったとか。今回は?

泣こうなんて思っていないんです。リハーサルでもスタッフに「こらえてください」と言われるんですが、金子さん(脚本)の文字を見ただけでもう涙が…(笑)。今回も、リストカットをしたり、万引きしたりする子の気持ちを代弁するようなシーンがあるんですが、そこは家でセリフを覚えているときでも込み上げるものがありました。

撮影で大変なことはありましたか?

(冬場の撮影だったので)防寒に関しては服もインナーもすべて暖かいものを用意してもらい、万全の装備で臨んだのですが、ロケではお天気に恵まれ、全然寒くなかったんです。ただ、その状態のまま部屋のシーンになったときは、もう暑くて暑くて!防寒が凶器になりました(笑)。前回の撮影は真夏で気温が40度でしたから、もし第3弾があったら、ぜひ気候の良い春か秋に撮影したいです(笑)。

視聴者の方に向けて一言お願いします。

今作のできあがりが楽しみですし、何より、第2作ができたことを嬉しく思っています。

今回のドラマに出てくるように、リストカットをするこどもや、お家でご飯を食べないご家庭が実際に多いと言われています。親子問題って本当に難しいですよね。ぜひ皆さんに見ていただきたいです。

モデルの保護司:大沼えり子さん

大沼えり子さん

前作の反響はいかがでしたか?

視聴者の皆さんのリアクションも大きく、放送後は講演の依頼、とくに中学校からの依頼が多くなりました。それまで知られていなかった保護司の実態が表に出て広く知ってもらえましたし、社会に対して啓蒙できたのかなと思います。

非行に走った子、走りそうな子の家族からも「大切なことがわかって、家族の軌道修正ができた」「(苦しんでいるのは)自分たちだけじゃないとわかった」という声をいただきました。社会において抑止力になったのが今回のドラマにもつながったんだと思います。

前作を見ると、その時に立ち戻ってしまい、一緒になって泣けてきます。ドラマで取り上げて頂いたこどもたちは今、みんな幸せでいてくれるので、なおさら嬉しくて泣けてくるんです。色んなことがあったけど、それを通り過ぎての今なんだなと思うと、やっぱり保護司をやっていて良かったなと思いますし、あのドラマはそれを再認識させてくれる私の大事な宝物です。

保護司のお仕事について思うことは?

保護観察になり私のところにくるこどもは、誰にも信用してもらえず、みんな一様に「大人は絶対に信じられない。大人はきたない、うそをつく、調子のいいことを言う」と目の前で言うんです。

こどもは生まれたときはみんな天使なのになぜ非行に走ってしまうのか。その環境を作ったのはこどもじゃないんですよね。だから、精一杯生きてきたこどもたちを、保護司の私が信じないと誰が信じるんでしょう。彼らが私のもとへ来たということは、彼らを信じるのが私の役目だと思うんです。

どんなに虐待されて辛い思いをしているこどもたちでも、実は親のことが好きなんです。なのに、親がそれをうまく受け止められない。わかっていても、伝えきれていないんです。だから、保護司がちょっとした橋渡しをすることで、家族の絆がしっかりするんですね。

非行は社会へのSOS。物珍しく見るのではなくて、それを受け止めなくてはいけない。私たちに訴えかけているものをきちんと受け取らなくてはいけないと思います。

視聴者の方に向けて一言お願いします。

ご家族そろって見てほしいです。ぜひ心の目で見てほしいですね。きっと自分に転嫁できるドラマだと思います。自分を振り返って、幸せのきっかけをつかんでほしいと思います。