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第314回(7/8) 大腸内視鏡

ゲンキスチューデント:岡田結実
ゲンキリサーチャー:レッド吉田
ドクター:小泉浩一

日本で「大腸がん」と診断されている人の数は、毎年10万人以上。部位別のがん死亡者数では、男性が第3位、女性は第1位と、決して無視できない病気です。しかし、恥ずかしい、痛そうといった理由から、内視鏡検査に後ろ向きの人も多いのが現状です。今回は、はじめてシリーズ「早期発見の要!大腸内視鏡検査編」。気になる検査内容を紹介します。

「大腸がん」について

・大腸とは、直腸、S状結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸の全てを指します。この部位にできるがんを「大腸がん」と言い、日本人では、7割近くが直腸とS状結腸で発生しています。

・大腸がんは進行の度合いによって、ステージ0からIVまで分けられています。ステージ0からIIは、大腸のみにがんができている状態。ステーIIIはリンパ節に、ステージIVでは肝臓や肺など他の臓器にも転移している状態です。

「ポリープ」について

ポリープとは、細胞が異常に増殖してできる突起物の事を言います。がんを見極める上で重要なのが、ポリープの大きさ。1cm以上を超えると、がん化する可能性が高くなります。

大腸がんの治療法について

早期に発見されたがんであれば、内視鏡治療で終了します。さらに、がんの深さに応じて追加の治療を検討します。一度がんができた人は、別の場所にできる確率も高くなるため、定期的な検査が推奨されます。定期的に検査を受ける事で9割方以上の大腸がんは治癒します。

大腸内視鏡以外の検査方法について

大腸がんを発見する方法として、「大腸内視鏡」以外に施設によっては、「CTコロノグラフィー検査」もあります。CTコロノグラフィー検査とは、CTを用いて大腸スキャンし、その形を立体的に観察できる検査です。大腸内部も細かく観察でき、大腸がんやポリープ発見につながります。内視鏡を入れる訳ではないので、高齢者・身体が不自由な方など体力に自信がない方には適していますが、小さなポリープや平坦なポリープなどの病変は見つけにくいという特徴もあります。

大腸内視鏡検査

〈検査前〉
▼検査の説明
先生から検査についての説明を受けます。
・痛みについて
腸は伸ばされたり、ねじれたりすると痛みを感じます。従来の検査では、大腸を観察するため内視鏡挿入時に空気を入れたので、そのせいで大腸が膨らみ、痛みが生じました。ですが現在では、ほとんどの病院で炭酸ガスを使用しています。炭酸ガスは、腸管から血液に吸収されやすい性質を持つため、膨らんだ腸は速やかにしぼみ、痛みの軽減に繋がっています。それでも、痛みが怖いという方のためにあるのが鎮静剤。完全に意識をなくす訳ではありませんが、痛みを感じにくくするので、より検査が受けやすくなります。

・ポリープが見つかった場合
1cmくらいまでの大きさのものであれば、その場で取る事もあります。ポリープを切除する方法は大きく2つ。1つは「ポリペクトミー」といわれる金属製の輪をポリープの茎のくびれている部分にかけ、そこから電流を流して切除する方法。もう1つは、「ESD」といわれ、ヒアルロン酸などを注入してポリープを隆起させ、電気メスで周囲の粘膜を切除する方法です。

▼検査当日までの説明
看護師さんから検査当日までの禁止事項などを説明してもらいます。検査の前々日は、繊維の多い野菜や、種のある果物は控える必要があります。これらの食材は、大腸に残りやすい食材だそうです。前日は、それに加え、乳製品やアルコールも控えます。そして、検査当日は何も食べず、水分をよく摂ります。

〈検査当日〉
▼腸管洗浄
まずは、腸管洗浄液 およそ1.8Lを2時間かけて飲み、腸の中を綺麗にします。病院によっては、便秘など大腸の調子が悪いときに便が出やすいように前日に腸管洗浄剤を飲む場合や、自宅で腸管洗浄液を飲む場合もあります。トイレに行くたびに便の色が薄くなっていくので、看護師さんの便の状態をチェックしてもらいます。

▼内視鏡検査
内視鏡を挿入して、検査開始です。一番奥の盲腸まで内視鏡が達したら、今度は戻しながら再度細かく大腸を検査していきます。問題がなければ検査終了です。

・ポリープがあった場合
詳しく調べるために、青い色素を散布し、ポリープの粘膜の模様を観察します。悪性の可能性が高いと判断された場合は、ポリープを切除します。切除したポリープは病理検査に出し、悪性かどうかを詳しく調べます。

▼検査後
検査後は、その後の生活についての説明を受けます。検査後は身体の中の水分が減っているので、水分の補充を行い、消化の良い軽い食事から始めます。ポリープを切除した場合は、出血の可能性があるため、2週間は激しい運動や飲酒を控えます(病院によって日数は異なります)。

大腸がんは早期発見が大切!大腸内視鏡検査、ぜひ受けてみてください。