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第305回(5/6) 老けない魚

ゲンキスチューデント:井上咲楽
ゲンキリサーチャー:レッド吉田
ドクター:西川正純

加齢と共に増える健康への不安。心疾患を招く血管病や、足腰の筋力が弱るロコモティブシンドローム、さらには、認知症など…。実は、それらを防ぐ、スーパー食材があるんです。それが魚!しかし、日本人が魚を食べる量は、食の欧米化などが原因で、2008年を境に肉食と逆転。20年前と比べると、1日あたりの摂取量が、20g以上も減っているのです。魚には、魚でしか得られない、さまざまな健康効果があります。そこで今回は、お悩み別に食べて欲しい魚をリサーチ。栄養を効率的に摂取できる調理法もご紹介します。

お悩み別 賢い魚選び

・筋肉の衰えが気になる方にオススメ!
加齢による筋力の低下が気になる方にオススメなのが、白身魚。タイやヒラメ、カレイなどの白身魚は、海底でゆったりと過ごす性質がある魚のため、身には脂肪分が少なく、タンパク質が多く含まれています。

・血液・血管の病気が気になる方にオススメ!
赤身魚に秘められたパワーは「血液サラサラ」。マグロやブリ、カツオ、などには、不飽和脂肪酸のEPAが多く含まれており、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐ効果が期待できます。EPAには、血小板が血管内で固まるのを防ぐ働きがあるため、多く摂取する事で血栓の予防につながります。また、血中のEPAの濃度が高いと、心血管疾患による死亡率が3分の1に減るというデータもあります。

・認知症予防にオススメ!
赤身魚に秘められた2つ目のパワーが「認知症予防」。赤身魚に多い不飽和脂肪酸のDHAは、脳に運ばれる事で神経伝達機能を高め、記憶力などの低下を抑制。認知症の予防につながります。

知って得する賢い魚の食べ方

不飽和脂肪酸のEPAやDHAは、朝に摂取する事で吸収率が上がります。また、食べる時間帯だけでなく、調理法も大事なポイント。魚の脂は、熱を加えると溶け出してしまいます。あるデータによると、焼くとおよそ15%、揚げると50%の成分が減少してしまうのだとか。一番良いのは生で食べる事ですが、お刺身ばかりだと飽きてしまうため、溶け出た脂ごと食べられる煮魚や、手軽に取れる魚の缶詰もオススメです。魚は、週に3日以上、1日にEPA・DHA合わせて1000mg以上摂る事が理想的。目安は、下記の通りです。

〈1日の理想の摂取量〉
・マグロ(トロ) 20g
・ブリ 40g
・サバ 80g

鰹節の驚異の健康パワー

鰹節は、荒節と枯節の2種類があり、「栄養の宝庫」とでも言うべき、驚きの健康パワーがあります。

(1)イノシン酸
旨味成分の一つでもあるイノシン酸には、人間の体内の細胞を活性化させ、新陳代謝を促す作用があります。代謝が上がれば、末梢の血行が良くなり、冷え性やむくみの改善になります。

(2)環状ジペプチド
最新の研究で、抗酸化作用や抗菌作用など、菌やウイルスから身を守る効果がある事が分かっています。

(3)必須アミノ酸
鰹節には、体内で合成できない9種類の必須アミノ酸の全てが含まれています。1つ目は「トリプトファン」。トリプトファンは、脳でセロトニンという神経伝達物質を作ります。セロトニンには、興奮を抑える働きがあるため、ストレス解消や不眠症に効果があります。さらに「ヒスチジン」という成分が、脂肪の燃焼を促進。メタボ解消にもつながります。他にも、疲労回復、貧血改善、精神安定、筋肉活性、肝機能サポートなど、高齢者にも嬉しい様々な効果が期待できます。必須アミノ酸の含有量の多い枯節がおすすめです。

・鰹節を食べるなら、朝がオススメ!
鰹節を食べるベストタイミングは、朝。朝に鰹節を食べる事で、アミノ酸が全身の代謝回路を目覚めさせます。さらに、ご飯などの糖質と一緒に摂ると、脳の働きを活発にし、ダブルの力で脳と身体を目覚めさせてくれます。旬に関係なく手軽に摂れる鰹節を、ぜひ毎日の食卓にどうぞ!