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第303回(4/22) 健康住宅

ゲンキスチューデント:滝裕可里
ゲンキリサーチャー:ヴェートーベン
ドクター:星 旦二

いつまでも元気で長生きしたい!誰もが願う、健康長寿。長年それを支える三本柱とされてきたのが、バランスの良い「食事」。ストレス知らずの「メンタル」。適度な「運動」の3つです。そして今、そこに新たな柱が!それが「住環境」。しかし、歳を取ると、くつろぎのマイホームが一転、危険地帯に。例えば、家の中の寒暖差が原因で亡くなる方は、年間およそ1万7千人。さらに多いのが転倒事故。約5万人が家で転び、救急搬送されています。その後、寝たきりになるケースも…。そこで今回は、家の中で安心・安全に生活できる方法をご紹介します。

将来の危険を簡単DIYで未然に解決!

80歳前後になると、白内障や難聴、背中や腰が曲がったり、手・脚の関節が硬くなるなど、体にはさまざまな変化が…。今は何の問題もなく暮らしているマイホームでも、歳を取ると危険になる場所が多数。そこで、骨折して寝たきりの原因にもなる転倒に注目し、その危険性が高い場所ワースト3と、簡単に解決できるDIY方法をご紹介します。

〈転倒の危険性が高い場所ワースト3〉 出典:内閣府 平成22年度 高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果より
第3位「階段」
危険ポイント:滑り止めがない・階段の色が薄く段差の認識がしづらい
滑って転倒するリスクを防ぐために、「滑り止め」をつけましょう。滑り止めは、ホームセンターなどで手に入れる事ができます。白内障になると段差の認識もしづらいので、階段の色が薄い場合は、濃い色の滑り止めがオススメです。
▼取り付け方
(1)左右それぞれ同じ長さになるように隙間を測る
(2)位置を決めたら、両面テープを剥がし階段の角に貼れば終了!
わずか数分で、滑って転倒するリスクを解消できます。

第2位「玄関」
危険ポイント:高齢になると筋力が衰え、段差が上がりづらくなる
昔の日本家屋には、必ず20センチほどの段差があり、加齢で筋力が低下すると足が上がらず、つまずいてしまうリスクが高くなります。そこで重要なのが、「手すり」です。長さは様々ありますが、玄関には、
60センチ以上のタイプがオススメです。
▼取り付け方
(1)下地をチェックする
体重がかかる手すりは、柱にしっかりと取り付けないと危険なので、必ず下地チェックを行なってください。下地のある場所を音で知らせてくれる下地センサーという工具もあります。
(2)下地に確実にビスを打つ
高さは、床から手すりのセンターラインが1100〜1200mmくらいが目安です。
(3)手すりをしっかり固定すれば完成!
また、脚が不自由になってきた時に、腰を掛けられるベンチがあると靴の脱ぎ履きが楽にできます。玄関の段差が高い場合には、途中に1段踏み台を設けるのもオススメです。

第1位「居間」
危険ポイント:わずかな段差
居間はつまずくリスクの少ないイメージがありますが、実は小さな段差が危険ポイント。高い段差はつまずかないように意識が働きますが、小さい段差は自分では脚が上がっていると思っていても、実際は上がっておらず、ひっかかって転倒につながりやすくなります。小さな段差をなくすには、「段差解消スロープ」がオススメです。柔らかい素材のものであれば、つまずきにくくカッターでも楽に加工できます。
▼取り付け方
(1)両面テープで段差部分に貼り付ければ完了!
たったこれだけで、段差にひっかかることなく転倒リスクを解消できます。

・他にもある、見落としがちな危険ポイント
危険ポイント:円筒状のドアノブ
円筒状のノブは、握力が低下した場合に回しにくく、トイレなどに閉じ込められてしまう可能性があります。そのため、レバー状のドアノブがオススメです。

照明を変えて不眠予防!

照明と睡眠には、大きな関係があります。 眠りホルモン・メラトニンは、夜に分泌され、太陽の光を感じると止まる、人間の生体リズムを司るホルモンです。しかし、ブルーライト成分の多い白色のLEDを夜に浴びると、メラトニンを抑制してしまうため、生体リズムがおかしくなり、不眠症になる危険性があります。不眠症を防ぐためには、朝、しっかりと太陽光を浴びる事が重要です。そして、夜は500ルクス以下の電球色で、睡眠に導入しましょう(※極端に就寝・起床の時間がずれている方は、専門家の判断を仰いでください)。リビングを明るさ・色を調節できる照明に変えると、朝は白色、日が暮れたら電球色と使い分ける事ができます。また、寝室には電球色の間接照明を使用するのもオススメです。照明を変えて、不眠症を予防しましょう。

健康に長生きできる生活環境の秘訣

・階段
エレベーターのない5階建てのマンションの4・5階の住人を対象に、将来を見越して1階に移った人と移らなかった人を3年間調査したところ、1階に移ると生存率が低下する事が判明。これは、階段が体力作りに役立ったと推測されます。

・温度
寒い家から暖かい家に引っ越した人を調査したところ、アレルギーが少なくなり、高血圧や糖尿病なども改善する事が分かっています。

・湿度
乾燥した施設で生活する高齢者の方が、介護度が上がってしまう事が分かったそうです。これは、口の中の乾燥が様々な病気の引き金になっているのではと、推定されています。オススメの対策方法は、土壁。DIYでも簡単にできるので、夏は熱中症対策で60%以下、冬は50%以上の湿度になるように工夫しましょう。

近未来の健康住宅

世界最高峰のセンサーを搭載した、近未来(2020〜2030年)の暮らしを体験できるショールームを訪問。そこには、健康に暮らせる様々な最新機能がありました。

・玄関
エアシャワーが、髪や服に付いた花粉や埃を飛ばしてくれます。

・人工知能(AI)
家の様々な機能を操るのは、人工知能。命令するだけでポットのお湯を沸かしてくれるなど、暮らしの全てをサポートしてくれます。さらに、咳やくしゃみからインフルエンザウイルスを検知するといった機能もあります。

・クローゼット
収納すれば、自動で除湿・殺菌。清潔を保てるようになっています。

・寝室
照明は、外の明るさを感知して、自動で変化。暮らす人の体内時計に合わせ、快適な睡眠ができるよう、白色から電球色に変わる機能も搭載されています。さらに、朝起きると、寝ている間の健康状態を天井に表示。睡眠の質や体温、心拍、呼吸数が映し出され、体調チェックから、毎朝がスタートします。この情報は、家族と共有する事もでき、両親と離れて暮らしていても安心です。

・鏡
ベッドから出て鏡の前に立つと、顔の血流量などから朝の体調を感知して、人工知能が対応してくれます。また、血圧や心拍以外にも、笑顔が足りないなどの情報も教えてくれます。もちろん、体重管理も当たり前。おすすめのエクササイズを提示してくれるなど、運動をするキッカケ作りもしてくれます。

健康長寿に欠かせない住環境。近い未来、家にいるだけで、健康になれる日がやってくるかもしれません!