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第291回(1/21) 命を守るドリル〜脳梗塞・心筋梗塞〜

ゲンキスチューデント:春香クリスティーン
ゲンキリサーチャー:深沢邦之
ドクター:市原淳弘

寒さがピークを迎えるこの時季。同じくピークを迎えるのが、脳梗塞や心筋梗塞など、血管系疾患の発症です。その要因は血圧の急上昇。冬場は家の中でも寒暖差が激しく、血圧の急上昇が起こりやすくなります。
そこで今回は、「命を守るドリル〜冬の脳梗塞・心筋梗塞編」。脳梗塞の意外な予兆や、冬の危険な行動、さらには血圧の急上昇を抑える方法もお教えします。

一過性脳虚血発作(脳梗塞の予兆)

一過性脳虚血発作とは、一時的に脳の血管が詰まってしまう状態です。主にふたつのパターンがあり、一つ目は心臓などでできた小さな血栓が脳に流れ、一時的に血管を詰まらせてしまうもの。もう一つは、悪玉コレステロールや高血圧などが原因で脳の動脈硬化が起こり、血流が滞ってしまうもの。いずれも脳の機能に一時的な障害を起こします。ただし血栓が溶けて血流が元に戻ると症状はすぐに治まるため、多くの人が油断してしまいます。しかしこれを放置すると、15〜20%が脳梗塞を発症します。そのため予兆を見逃さずその時点で病院に行くことが大切なのです。
・片方の手足がしびれたり麻痺したりする。
一時的に片方の手足がしびれたり麻痺したりするのは、脳梗塞の典型的な予兆です。速やかに医師の診察を受けましょう。また肩や腰のコリと勘違いすることもあるので注意が必要です。
・日本語だけ話せなくなる。
母国語と後から学んだ言語を司る中枢が異なるため、日本語を司る言語中枢が一過性脳虚血発作になるとこのような症状が現れます。他にもパピプペポだけ言えない、文章に構成できないというように、脳梗塞の予兆には様々な言語障害があります。
・性格が変わる
人の性格を決める大脳辺縁系に一過性脳虚血発作が起こると、性格も変わります。
他にもあくびを連発する、片方だけの強いコリなども脳梗塞の予兆の場合があります。不安があるときは検診を受けましょう。

心筋梗塞の予兆

心筋梗塞は、脳梗塞に比べて予兆は少ないものの一時的に血流が悪くなり激しい痛みを感じることがあります。
それも胸の痛みに限ったことではなく、左肩や歯、みぞおち、右肩、背中など心臓以外の部位に現れる「放散痛」という症状が特徴です。心臓には痛覚神経が少ないため、その周辺の部位に痛みとして現れると考えられています。胸以外であっても、異常な痛みを感じたら心筋梗塞を疑うことも大切です。

緊急時の対処

万が一家族が倒れてしまったら、どのように対処したら良いのでしょうか。やってはいけない行動は次の通りです。
(1)仰向けに寝かせる。
脳血管のトラブルでは嘔吐する場合があります。寝かせる場合は横向きに寝かせましょう。
(2)布団をかける。
布団で身体を温めるのは、血流の刺激になることもあるので要注意です。
(3)口にハンカチをあてがう。
窒息の原因になる場合があるのでやめましょう。

血圧の急上昇に注意

冬場は急激な温度変化に接することが多いため、正常な人でも血圧の急上昇が起こりやすく危険です。入浴時やトイレに行く際に注意するのはもちろん、洗濯物を取り込んだり、新聞を取りに行ったりするときも防寒着を身に着けるよう心掛けましょう。

「血圧の急上昇を抑える!簡単、鎖骨上窩リンパマッサージ」
鎖骨上窩とは、鎖骨の上のくぼみの部分です。ここを2本指で、痛くなる程度にマッサージします。1日に左右10回ずつ行いましょう。
鎖骨上窩にはリンパがあり、マッサージすることで全身のリンパ流が改善します。すると血管の周囲の老廃物が取り除かれ、血管にかかる圧力が減少し、血管の柔軟性が改善。血圧の急上昇が和らぐ効果が期待できます。
このマッサージはお風呂上りが効果的です。継続して行うようにしましょう。