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第273回(9/10) 嗜好品外来

ゲンキリサーチャー:X−GUN
ドクター:椎名一紀
ゲンキスチューデント:春香クリスティーン
ゲスト:的場浩司

皆さんは嗜好品と聞いて何を連想しますか?思いつくのはおやつやお酒など、健康にとってはマイナスイメージのものが多いのではないでしょうか。ところがそんな嗜好品を医師が薦める専門の外来が「嗜好品外来」。
そこで今回は嗜好品外来を大調査。
医師が薦める嗜好品とはいっだいどんなものなのでしょうか?
美味しく、楽しく、簡単に健康増進につながる嗜好品を紹介します。

嗜好品外来

およそ2年前、日本で初めて開設された戸田中央総合病院の嗜好品外来。
嗜好品は本来、栄養摂取を目的とせず、味、におい、刺激などを楽しむ食品や食料のことですが、近年一部の嗜好品が健康増進につながることが判明しました。そこでこちらの外来では、主に高血圧や動脈硬化の改善を目的に嗜好品を薦めています。
まずは問診票に運動などの生活習慣や、普段よく食べる食材などを詳細に記入し、その後血液検査と動脈の硬さなどを調べる検査を行い、血管年齢を算出します。状態によっては心電図や頸動脈エコー、脳のMRIなどの検査を行う事もあります。 そして検査結果からそれぞれの患者に合ったおススメの嗜好品を見つけます。
生活習慣病が気になる方は誰でも受診できますが、特に血圧やLDLが高めの方には良いでしょう。血圧の数値では140〜160hg以上になると対象外になる場合もありますので注意してください。

チョコレートとココア

血圧が高めの方におススメの嗜好品がチョコレート。しかしチョコレートなら何でもいいというわけではなく、カカオの含有量が高いチョコレート、つまりカカオポリフェノールを多く含んだダークチョコレートが条件です。
カカオポリフェノールには、血管壁をやわらかくする一酸化窒素NOを活性化させる働きがあるため血圧が安定し、さらに動脈硬化の予防につながる善玉コレステロールも増やしてくれます。また血管内の炎症を抑える抗炎症作用があり、動脈硬化のリスクを抑えることも期待されています。摂取の目安は、カカオの含有量が70%以上のものを1日に20〜30gです。
さらにこれを効率的に摂れる飲み物がココアです。ココアの効果を高める効果的な飲み方を2つご紹介します。

「ショウガココア」
ピュアココア5gを200mlのお湯で溶き、皮ごとすりおろしたショウガを小さじ1杯(約5g)加えます。(チューブの場合は約7.5g)

ショウガに含まれるショウガオールという辛味成分には血液サラサラ効果があり、ココアのカカオポリフェノールとの相乗効果で血管拡張作用があるため、継続すると血管がしなやかになります。

「豆乳ハチミツココア」
ピュアココア5gを10mlの熱湯で溶いてから、温めた豆乳120mlを注ぎます。ハチミツは小さじ2杯加えます。

豆乳に含まれるイソフラボン、ハチミツに含まれるケルセチンはともに血管をしなやかにする効果があるため、血圧が気になる方にはおススメです。ハチミツは、ケルセチンの他にも様々な種類のポリフェノールを含む健康食材です。
吸収が早くすぐに脳のエネルギーとなるため、朝の摂取はより高い効果が期待できます。

クルミ

クルミは、青魚が苦手な方や摂る機会が少ない方におススメです。
クルミに多く含まれるαリノレン酸は、体内に入るとおよそ15%がDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸に変化します。EPAは血中の血小板が固まるのを防ぐため血栓を予防する働きがあり、DHAは毛細血管内での赤血球の流れをスムーズにする働きがあると言われています。

緑茶

緑茶を1日4〜5杯飲む人は、それ以下の人に比べると脳卒中や心筋梗塞になるリスクが抑えられるというデータがあります。
これはお茶に含まれるポリフェノール、カテキンが血圧を上昇させる酵素の働きを抑えるためだと考えられています。カテキンを多く抽出するには90℃以上の熱めのお湯で淹れるのがポイントです。また粉茶にして茶葉ごと飲めば、より多くのカテキンが摂取できます。

嗜好品外来で薦めているものの1日の摂取量目安は次の通りです。

ダークチョコレート 20〜30g
クルミなどのナッツ類 30g
赤ワイン 1〜2杯
緑茶 4〜5杯

ただし、基本はバランスの良い食生活です。嗜好品だけに頼るのはやめましょう。