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第266回(7/23) 熱中症と間違えやすい二大病

ゲンキリサーチャー:木本武宏(TKO)
ドクター:横尾隆
ゲンキスチューデント:滝裕可里

暑い日が続くこの時季、めまいや吐き気、倦怠感、軽いしびれなど自己診断で熱中症だと思っていませんか?
しかしその症状は、もしかしたら夏特有の二大病になっているかもしれません。それが脳梗塞と腎臓病。どちらも重度の後遺症を患う場合があり、最悪の場合命を落とす危険もあります。
そこで今回は夏特有の二大病を徹底検証。手遅れにならないための対処法を学びます。

脳梗塞

高血圧や動脈硬化による血栓などが原因で血管がつまり、脳の神経細胞が死んでしまう脳梗塞。血圧の上がりやすい冬に多いと思われがちですが、実は最も多いのは6月から8月、夏に多い病気です。
この、夏特有の脳梗塞の主な原因は脱水です。脱水状態になると身体の水分が減ってドロドロの血液になります。さらに血液の赤血球が固まって「凝集塊」というものを作り、これが血管に詰まってしまい脳梗塞になることがあるのです。

また脳梗塞といっても、めまいやふらつきなど熱中症のような症状を伴う脳梗塞もあります。それが「ラクナ梗塞」。これは脳へ入っていく細い糸のような血管が、凝集塊などで詰まって引き起こされます。
一方、ラクナ梗塞ではない太い血管が詰まる脳梗塞は周りにある多くの神経細胞が死んでしまうため、半身麻痺や意識障害、ろれつが回らないなど大きな症状が出ます。

脱水予防のポイント

「ノドの渇き」や「だるさ」などの症状を感じるときは軽度の脱水状態、「口の中が渇いてネバネバする」「尿量が少なすぎる」などは中度の脱水状態の可能性があります。高度の脱水状態になると意識がもうろうとして血圧も低下します。この状態では脳梗塞だけでなく様々な要因で命の危険がありますので注意してください。
脱水予防のポイントは次の3つです。
(1)就寝前にコップ一杯の水を飲む。
(2)お酒の飲み過ぎは避ける。
(3)汗をかいた場合はしっかり水を飲む。
1日の水分摂取量は1.5リットル以上が理想です。

腎臓病

夏に腎臓病が多いのにも脱水が大きく関係しています。脱水状態になると血液量が減り、血圧も下がります。すると腎臓の中で血液をろ過している「糸球体」という部分にあたる圧力も下がるため、老廃物が通過することができなくなり尿毒素として体内に溜まってしまいます。この尿毒素が急に溜まった状態が「急性腎障害」と言われる状態です。
さらに、脱水状態になり体内の水分量が減ると老廃物の量は変わらないまま水分量が減るため、尿が濃くなります。すると腎臓の中でカルシウムと老廃物であるシュウ酸などが結合しやすくなり「腎結石」ができてしまいます。この結石が大きくなったり尿管に詰まったりすると激痛を引き起こします。

頻尿が引き起こす負のスパイラル

腎臓は「尿細管」と呼ばれる場所で体内の水分量の調節もしています。しかし加齢などで尿細管が衰えると尿を濃くできず、必要な水分まで排出されるため夜トイレに行く回数が増えてしまいます。
すると夜トイレに行くのを避けるため、就寝前に水を飲まずに寝てしまいますが、尿細管の機能は低下しているため、やはり夜中にトイレに行き、また水分を摂らずに寝てしまいます。さらに夏の夜は気温も高く汗も多くかきます。この状態を繰り返すことで脱水状態になり、血液はドロドロになり、腎臓の病気になりやすくなります。そしてこの状態からなりやすいもう一つの病気が脳梗塞なのです。夏の明け方は一番脳梗塞を起こしやすい時間帯です。就寝前には必ず水分を摂るよう心掛けましょう。
夜寝る前と朝起きた後に体重を計り、0.5kg以上減っている場合は脱水している可能性があります。
簡単な方法なのでセルフチェックしてみましょう。