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第240回(1/15) 認知症

ゲンキリサーチャー:深沢邦之
ドクター:古賀良彦
ゲンキスチューデント:佐野ひなこ

高齢の行方不明者はおよそ1万2000人おり、その原因として近年危惧されている病気が認知症です。
認知症というと「物忘れ」のイメージが強いですが、行動にもサインが出てきます。そこで今回は認知症のサインとはどのようなものなのか、皆さんの日頃の実体験からその真相を紐解きます。さらに簡単な動きでわかる、未来の認知症評価装置もご紹介します。

認知症のサイン見極めポイント〜記憶編〜

・知っているはずの漢字や人の名前が思い出せない。
この場合の見極めポイントは「覚えていない部分」にあります。その人に会ったことや話したことは覚えていて、名前だけ出てこないというのはセーフですが、その人の存在自体を忘れている場合は要注意です。

・同じものを買ってしまう。
この場合の見極めポイントは「回数」です。調味料や、表紙などが似ているシリーズ物の本をだぶって買ってしまうのはセーフです。ただし同じ物を3回以上買ったら注意しましょう。

・時間が経ってから読んだことや観たことに気付く。
この場合のポイントは「気付くタイミング」です。例えば映画を観たことにはすぐ気付くが結末が思い出せないというケースはセーフです。しかし本を途中まで読み進めないと思い出せないなどは、本を読んだ経験の記憶がなくなっている証拠です。最後まで気付けない人は認知症のサインの可能性が大です。

このような記憶に関するサインが本格的に現れてくることを「軽度認知障害」と言います。正常ではないけれど認知症でもない中間に位置し、日常生活には特に支障がない状態です。

認知症のサイン見極めポイント〜行動編〜

最近よく言われるようになった「軽度行動障害」。認知症の原因である脳の委縮が、脳の前部分に起こると行動に変化が現れます。そしてそれらの症状を放っておくと、5年以内におよそ7割の人が認知症に進行すると言われています。

・性格が変わったような気がする。
年と共に性格が丸くなったり、くどくなったりするのはよく聞くことです。しかし性格が丸くなったというと聞こえが良いため見逃しがちになりますが、辛い場面や大変な場面でも楽観的すぎる場合は、多幸症という認知症のサインかもしれません。さらに大切な見極めポイントが自覚の有無です。自覚している場合はまだセーフですが、自覚がない場合は注意するようにしましょう。見逃しやすい変化のため、日頃から家族でチェックし合うと良いでしょう。

・料理の味が変わった。献立の数が減った。時間がかかる。
この場合の見極めポイントは「配慮」です。品数が減ってきたなどはセーフですが、家族の好みを忘れてしまったり、毎日同じ献立を作ったり、料理の味が変化したりした場合は注意が必要です。

他にも日常会話の中で言葉に詰まったり、「アレ」という言葉が増えてきたりしたら注意し始めるようにしましょう。

最新認知症早期発見システム

「早期アルツハイマー型認知症診断支援システム」
MRI検査によって、患者と健常者の脳の委縮の割合を解析するシステムです。認知症になると脳が委縮し黒い部分が増えるため、特に記憶を司る海馬をチェックすることで早期発見につながります。

「認知症評価システム 指タップ」
認知症になると左右の手の連携やリズム運動がスムーズにできなくなり、これが認知症や軽度認知障害特有のリズムとなって現れます。そのためこの検査では、両手の親指と人差し指にセンサを付け、左右同時と交互に指のタップ運動をして速度や運動量、リズム感などを計測します。
今はまだ研究段階ですが、医療現場で数年後の実用化を目指しています。

認知症は予防がとても大切です。簡単にできて予防につながるおススメの運動が早足ウォーキングです。会話ができないくらいの早足でさっさと歩きましょう。早歩きは段差や障害物など目からの情報に対して素早い対処が必要で、脳への刺激になります。