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第236回(12/11)

ゲンキリサーチャー:深沢邦之
ドクター:中村光康
ゲンキスチューデント:春香クリスティーン

12月11日は、「胃にイイ日」。日ごろから頑張っている胃に対して、いたわりの気持ちを持とうという日です。しかし胃の不調は、老若男女が抱える国民病ともいえるトラブルです。
そこで今回は、胃もたれや胸やけ、膨満感や胃の痛みなどそれぞれの原因や対処法を大公開。さらに胃はきれいなのに絶不調という、現代人の多くが罹っている病気にも迫ります。

様々な胃の不調

胃の不調の原因は大きく分けて「胃酸」と「胃の動き」に分けられます。

「逆流性食道炎」
胃酸が原因で起こる不調の一つが、逆流性食道炎です。胃酸は消化に大きく関わり、金属さえ溶かすほどの強い酸性です。胃の壁はその胃酸から、粘液や胃粘膜で守られています。食道にも粘液はありますが、胃粘液ほど強くないため胃酸が逆流すると荒れてしまいます。
脂肪分の多い食事は胃酸が逆流しやすくなってしまうほか、いつも猫背気味で前かがみのような姿勢を取っていると腹圧が上がり、お腹で胃を圧迫し、胃酸が逆流しやすくなってしまいます。

「びらん性胃炎」
胃のひだの頭頂部にできるびらん性胃炎。胃酸で胃の粘膜が炎症を起こしている状態です。胃酸は胃に食べ物があれば消化に使われるため、胃を傷つけません。問題となるのは空腹時です。特にアルコールは胃酸の分泌を促すため、飲み過ぎると胃酸が過剰に増えた状態になります。しかもアルコールは胃粘膜を直接傷つけるため、空腹時に増えた胃酸がその傷口をさらに刺激し、痛みを引き起こします。
そんな胃を守る胃粘液の主な成分は「ムチン」。ヤマイモやサトイモ、レンコン、なめこなどに多く含まれます。食事でムチンを摂れば胃の粘膜を潤し、保護する働きがあります。
またビタミンUも傷ついた胃粘膜の修復を促進してくれます。ビタミンUはキャベツやブロッコリーに多く含まれていますが、水に溶けやすいため、調理は茹でるより蒸す方がおススメです。

「ストレスによる胃の機能の低下」
人はストレスを感じると自律神経の交感神経が優位の状態になります。すると胃の機能が低下してしまいます。胃の機能が低下すると胃の内部に大きな問題が見られなくても、食物を貯蔵するための拡張や消化に必要なぜんどう運動が鈍くなり、胃もたれや膨満感を感じるようになります。
さらにみぞおち付近に痛みを感じるようになるなど症状が進んでいくと、「機能性ディスペプシア」という病気になります。

機能性ディスペプシア

ストレスが原因になることが多い、機能性ディスペプシア。ディスペプシアとは消化不全という意味で、症状があるにもかかわらず、詳しく検査をしても胃に異常がみつかりません。

・機能性ディスペプシアの診断基準
(1)みぞおちの痛み、灼熱感。
(2)食後の辛い胃もたれ。
(3)すぐお腹がいっぱいになる。
(4)胃に病気の原因が見当たらない。

機能性ディスペプシアの胃は、食後すぐにもかかわらず食べ物が胃の底へ行ってしまい、消化機能が正常に働きません。しかも胃酸が出過ぎているわけでもないのに、胃に激痛を感じやすくなる内臓性知覚過敏という症状も発症します。ストレスがストレスを生み悪循環になっていくため、異変を感じたら消化器の専門医にすぐに相談しましょう。ストレスを抱えている人は、話すだけでも症状が改善される場合があります。

唾液

唾液は消化を助けるほか、胃酸を中和させ胃粘膜の傷を修復してくれます。

・唾液を増やす「おサルさん体操」
サルの顔真似をするように、唇と歯茎の間に舌を入れて回しましょう。唾液を出す器官、唾液腺が刺激されます。
さらに耳の下のくぼみをゆっくりとマッサージすると、唾液の分泌が盛んになります。