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第190回(1/17) 心筋梗塞

ゲンキリサーチャー:深沢邦之

心臓の血管が詰まり、壊死してしまう心筋梗塞。
真冬に増える病気の一つですが、高齢者だけではなく、近年は40〜50代の働き盛りの世代にも目立っています。
今朝はそんな心筋梗塞の意外な原因とサインを大公開。
後半では心臓をよみがえらせるスーパードクターに密着しました。

心筋梗塞・狭心症の意外な原因とサイン

心筋梗塞は、心臓にある3本の太い血管、冠動脈が詰まり、その先に酸素が送られなくなることで心臓が壊死してしまう病気です。最悪の場合、死に至るケースもあります。
また狭心症は、心臓の血管にプラークと言われる脂のコブができ、血管の幅が狭くなって心臓に十分な血液が供給されなくなる状態です。
これらの病気の原因やサインとは一体どのようなものなのでしょうか?

・健康診断の結果
健診結果でカギとなるのが、体重、血圧、血糖値、コレステロール、中性脂肪の5項目です。
これらのうち1つでも異常値があると、心筋梗塞のリスクは2〜3倍に高くなります。
さらに肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症のすべてが揃うと、そのリスクはなんと31倍にもなります。
また喫煙はそれだけでも心筋梗塞のリスクが3倍になります。
健康診断の結果や喫煙歴には重要なサインが現れているのです。

・放散痛
放散痛とは、本来心臓に痛みの原因があるのに、脳へ痛みの場所を連絡する際に、近い回路を使っている別の部分、例えば肩や背中、歯やアゴなどが痛いと勘違いしてしまう事です。
放散痛は場所が特定できるような点の痛みではなく、この辺りといった面で痛むことが多いと言います。
胃や胸板、食道、左側の肩や左側の脇の辺りに、違和感や重く鈍い感じが出てきたら要注意です。

・男性ホルモンの低下、男性更年期障害
男性ホルモンの一つテストステロンが低下すると、うつの症状と共に内臓脂肪の増加や高血圧などの症状が現れ、動脈硬化が進行。
その結果心筋梗塞や脳卒中のリスクも増加します。
男性の場合更年期ですら見落としがちですが、疲れが取れない、元気が出ないなどのうつ症状が現れてきたら、心筋梗塞も合わせて注意しましょう。

神の手を持つスーパードクター

順天堂大学心臓血管外科、天野篤先生。
神の手を持つスーパードクターと言われます。
2012年には天皇陛下の狭心症治療の手術を執刀し、その名前が世に広く知られるようになりました。
過去の執刀数はこれまでに7000件以上。
一般的な心臓外科医の年間執刀数が平均50件のところ、天野先生は年間400件以上の手術を手掛けています。

天野先生が「神の手」と言われる所以は、「オフポンプ」と言われる手法にあります。
以前は人工心肺を使用し心臓を止めて行っていた手術を、先生は心臓を動かしたまま行い、わずか数ミリの血管同士を縫い合わせるのです。
オフポンプ手術は心臓を動かしたまま行うので、患者の負担を軽減することはできますが、鼓動する心臓にメスを入れその表面の直径2mm程の血管を縫い合わせていくため、執刀する医師の技術力が問われます。

先生がいつも一番に考えているのは患者さんのこと。
先生が目指す手術「はやい、やすい、うまい」も何よりも患者さんを考えてのことです。
そして天野先生は現在その技を伝えるべく、後進の育成にも力を注いでいます。
人を助けるという強い気持ちが医師にとって一番必要という天野先生。今日もかけがえのない命と向き合っています。