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第155回(5/10) 睡眠

ゲンキリサーチャー:深沢邦之
ドクター:梶村尚史

私たちの健康に関わる睡眠。
その悩みの大半は「いびき」と「寝つきの悪さ」です。
今回はこの2つの悩みを大調査。
いびきをかく人の特徴やいびきのメカニズム、また最近急増中の寝つきを悪くする病気についてお伝えします。

いびきアゴといびきノド

いびきをかきやすい人には大きく2つの特徴があります。
ひとつはアゴの骨格。
骨格が細く、下アゴが上アゴよりも奥に引っ込んでいるのが特徴です。
柔らかい物を食べ、咀嚼回数が減っている現代人に多く見られるタイプです。
また骨格は遺伝するため、親がいびきをかく人はいびきアゴの可能性が高くなると言われています。
もう一つの特徴は、口を開けたとき、アゴが小さく舌が収まりきらずノドの奥が見えないこと。
これは舌背型(ぜっぱいがた)と言います。

いびきのメカニズム

いびきは空気の通り道にある筋肉が振動する音です。
起きている時には口がしっかりと閉じられ、空気の通り道となる気道が確保されていますが、
眠りにつくと口が開いて舌が気道に垂れ下がり、呼吸をするたびに震えます。
狭くなった気道を空気が無理に出入りすることで大きな音が生じているのです。
いびきの原因はノドの筋肉の緩みと言えるので、アルコールの摂取や肥満、加齢もいびきを引き起こす原因になります。

舌が気道を完全にふさいで呼吸ができなくなる病気が、「睡眠時無呼吸症候群」です。
10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上起こる人は睡眠時無呼吸症候群にあたります。
この症状がある人は心疾患や脳卒中を起こすリスクが普通の人に比べて4倍になるといいます。
睡眠中、無呼吸になると脳や身体は休まりません。
日中も強い眠気に襲われる方は要注意です。
治療法としては、鼻から強制的に空気を送って気道を確保するCPAPや、
舌が垂れ下がらないよう下アゴを前に突き出すマウスピースがあります。

●いびき予防・改善に「闘魂ストレッチ」
(1)口を大きく開けて「ア、イ、ウ、エ、オ」と発声しましょう。
  口の周りの筋肉が鍛えられます。
(2)歯と唇の間をなめるように、舌をゆっくり回しましょう。
  舌の筋肉を鍛えることができます。
(3)下アゴを前に突出し、「元気ですか〜!」と叫びましょう。
  アゴの筋肉を鍛えることができます

●不眠症
不眠症には大きく分けて4つのタイプがあります。
寝付くまでに30分以上かかる「入眠障害」。
夜中に何度か目が覚める「中途覚醒」。
起床予定時刻よりも2時間以上早く目覚めてしまう「早朝覚醒」。
起きてもだるさや疲れが残る「熟眠困難」。
日本人のおよそ2400万人がいずれかの症状を抱えていると言われています。

寝付けない原因の一つに挙げられるのがパソコンの長時間使用です。
パソコンなどの画面からは、ブルーライトという寝つきを妨げる強い光が出ています。
使うなら就寝3時間前までにしましょう。
また長時間パソコンをして活動量が減ることも寝つきを悪くする原因になります。
そもそも定年を迎えた世代は、20代に比べて活動量は半分程度になっています。
日中できる範囲で家事を行い、活動量を増やすだけでも改善がみられる場合があります。
また毎朝起きる時間を一定にして睡眠リズムを整えることも、不眠症改善の第一歩になります。

他にも、最近注目されている睡眠障害が「むずむず脚症候群」です。
これは布団に入ると脚がむずむずしたりほてったりして不快感で眠れない病気です。
原因は運動機能を調節するドーパミン神経の活動低下と考えられていますが、原因のすべては解明されていません。
薬による治療で改善はできますので、気になる方は専門医を受診しましょう。