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第146回(3/1) 空回り脳(前編)

ゲンキリサーチャー:深沢邦之

思い出せないことを「あれ」や「ほら」で済ませてしまうこと、ありませんか?もしかしたらそれは、「空回り脳」かもしれません。
この空回り脳を放っておくと、軽度認知障害に進行してしまうこともあります。軽度認知障害は、認知症の予備軍。つまり空回り脳は、認知症への入り口と言えるのです。
そこで今回は、脳を鍛えて空回り脳を防ぐ方法を2週にわたって大特集!
早めに気付いて、認知症につながる空回り脳を予防しましょう。

空回り脳とは?

脳科学の専門家、筑波大学の朝田先生によると、脳の中の各部屋にしまわれている状態の記憶を引き出そうとするとき、間違って別の記憶がしまわれている部屋へ行ってしまうというような、脳の命令系統が無駄な動きをする、これが脳が空回りしている状態です。
日常的によくある現象ではありますが、場合によってはこれが軽度認知障害に進むこともあります。
軽度認知障害は言葉が思い出せない、物を失くすなど物忘れがひどくなっているものの、日常生活には特に問題がない状態です。しかし放っておくと5年以内に約7割の人が認知症へ進行するという報告もあります。
空回り脳は認知症の入り口です。認知症を予防するためにも空回り脳に気付くことが大切です。

空回り脳で衰える力

今回番組で行ったスーパーでの買い物実験で、空回り脳で衰える力が明らかになりました。
(1)記憶力
記憶力とは、過去に覚えたことを思い出す力のことです。この力が弱まるといわゆる物忘れが多くなります。
(2)注意力
注意力とは、例えば電話をしながらメモを取るなど、複数のことに注意を振り分ける力のことです。
(3)段取り力
段取り力とは、手際よく料理をするなど物事の計画や手順を考える力のことです。スーパーでの買い物の際も、一切計算をせずに大きなお札で支払いをすませようとするなどの行動には、空回り脳が潜んでいるかもしれません。

脳が空回りする原因とは?

空回り脳になると衰えやすい3つの力。実は私たちの生活の中にこれらの力を衰えさせる要因があると朝田先生は指摘します。
それはハイテク。道順を覚えなくても目的地まで案内してくれるカーナビや、膨大な情報を必要な時に簡単に引き出せるパソコン、支払う金額を計算せず会計ができる電子マネーなど、生活は便利になりましたがその分脳に負担がかからなくなったことが、空回り脳を生み出しているのです。
またもう一つ、大きなポイントになるのがコミュニケーションです。近年、高齢者の独り暮らしが増加していますが、会話や外出をしないといったコミュニケーション不足が脳機能を低下させる要因になります。

そんな空回りしがちな脳を手軽に活性化させる方法はあるのでしょうか?
来週は空回り脳の対策編!楽しみながら認知症を予防する脳トレ法などをご紹介します。