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第144回(2/15) ふるえ

ゲンキリサーチャー:ザブングル

人は緊張や寒さを感じるとふるえますが、それは何故なのでしょう?
また最近は原因不明のふるえや、日常生活に支障をきたす危険なふるえを発症する人も増えていると言われます。その兆候は40代から現れ、60代になると16人に1人がかかるというデータもあります。
そこで今朝は、寒さや感情の変化がもたらすふるえから、急増する病気まで徹底リサーチ。ふるえのメカニズムを検証します。

人はなぜふるえるの?

人間は身体のある部分を動かす時、その周りの筋肉を収縮させています。ところが一定の位置にとどめると、筋肉が力を出し合い拮抗します。これは筋肉同士が綱引きをしているような状態で、この時目に見えないレベルの細かなふるえが起こっています。
年配の方がふるえやすくなるのは、この筋肉の綱引きのバランスの乱れが原因と言われています。

また意識して緊張することで起こるふるえもあります。
この対策として良いのが、白子を食べること。白子には緊張を和らげてくれる核酸という物質が豊富に含まれています。他にもジャコや煮干し、鰹節や納豆(大豆類)もおススメです。大一番の前日に食べると次の日に効果が期待できるそうです。
さらに深呼吸も良いでしょう。横隔膜には副交感神経がきているため、お腹をふくらませて横隔膜を動かすとリラックスします。また開き直りも大切だということです。

緊張の他にも不安や恐怖、怒りなどによるふるえは生理的なふるえと言われ、その発生にはアドレナリンが大きく関わっています。
アドレナリンは脳が感情の高まりを感じると分泌され、心拍数が上昇するなど自律神経が身体をうまくコントロールできなくなります。感情が高ぶる場面でふるえが顕著になるのはそのためです。
また寒いときにふるえるのもアドレナリンが関係しています。
アドレナリンが分泌されると筋肉を収縮させますが、細かくぶるぶるとふるえて熱を発生させ、防御姿勢をとっているのです。

生活に支障をきたすふるえ

(1)パーキンソン病
世界的に危険なふるえとされるパーキンソン病。日本でも難病の一つに定められています。
パーキンソン病は、神経を司る脳の黒質という部分の神経細胞が減少し、全身に出される運動の指令がうまく伝わらなくなる病気で、何もしていない安静時にふるえだすのが特徴です。筋肉がこわばって歩きにくくなったり、ひどいときには寝たきりになったりすることもあります。
治療は投薬療法が一般的ですが、黒質の神経細胞の減少を止める薬はなく、完治させる治療はないのが現状です。
しかしiPS細胞から育てた神経細胞を移植し、黒質の機能を回復させるという研究が来年にも始まります。山中教授が作り出したiPS細胞が世界の患者を救う日が来るかもしれません。

(2)本態性振戦
本態性とは、原因不明という意味。早い人は40代で発症し70代以上になると増加する傾向にあります。発症の詳しい理由はわかっていませんが、脳から末端の神経回路に何らかの異常が起きていると考えられています。またアドレナリンが関係しているという説もあります。
本態性振戦は、特定の行動時に細かく速いふるえの症状がでます。また遺伝するのも特徴です。
治療法はドリルで頭蓋骨に穴をあけ、電極を挿入して刺激を与えるといものですが、高齢者へは負担が大きいためあまり行われていないのが現状です。
しかし最近、身体に負担が少ない方法ができました。
まだ臨床研究中ではありますが、超音波収束装置で、MRIを見ながら病巣に超音波を当てることで、脳の過剰に反応している部分を集中的に刺激し治療します。
この治療は開頭の必要がなく、患者の意識を保ったまま行えるため、ふるえが安定していくのを確認しながらすることができます。

本態性振戦の予防策の一つは運動です。ポイントは筋肉をつけることより身体を動かす神経を鍛えること。ドクターおススメの運動は野球やテニスなどの球技とのことです。

ふるえが気になった場合は神経内科、脳外科を受診してください。