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第143回(2/8) 脳梗塞

ゲンキリサーチャー:深沢邦之

日本で年間およそ7万人もの人が亡くなっている脳梗塞。発病すればたとえ命が助かったとしても、重度の障害が残ってしまうこともあります。
何よりも大切なのは、発症してから治療を始めるまでの時間を短くすること。
そこで今回は、いち早く病気に気付き速やかに治療を受けるためにはどうしたらいいのか、その方法を徹底リサーチ。
採血するだけで危険度がわかる最新検査や、町ぐるみで取り組んでいる脳梗塞対策などもご紹介します。

脳梗塞の恐ろしさ

脳梗塞の原因は大きく3つあります。
1つ目は「アテローム血栓性脳梗塞」。頸動脈や頭蓋内の太い血管が動脈硬化によって詰まってしまうタイプです。
2つ目は「心原性脳梗塞」。血栓が心臓から脳へ流れて血管を詰まらせることで、脳の組織が障害を受けます。
3つ目は「ラクナ梗塞」。これは穿通動脈という細い動脈が狭くなったり血栓で詰まったりすることで、脳の組織が障害を受けます。

脳梗塞を発症した人には「t−PA」という血栓を溶かす薬を投与します。しかしこの「t−PA」を使うには、発症から4時間30分以内という時間の制限があります。
発症から投与が早ければ早いほど効果が期待できるのですが、神経機能の回復や梗塞部周辺のもろくなった血管から出血する危険性を考えて、t−PAを投与できる時間は4時間30分以内とされているのです。
つまり脳梗塞を発症したとき一番大切なのは、一刻も早く治療を開始することなのです。

早期発見のポイント

脳梗塞は突発的に起こることもありますが、前兆として半身に力が入らない、半身にしびれを感じる、めまいに襲われる、目が見えづらい、ろれつが回らないなどの異変が現れることがあります。
このような異変を見逃さず、「おかしい」と感じたら一刻も早く病院へ駆けつけることが大切です。
さらに脳梗塞のチェック法、「アクトファスト」というものがあります。これは笑った顔が片方にひきつっていないか、両方の腕がきちんと上がっているか、ろれつが回っているかを確認するもの。1つでもできなければすぐに救急車を呼んで受診しましょう。
さらに自分自身の健康状態を把握しておくこと、家族や周辺の人たちが異変に気付いてあげることも大切です。

また、脳梗塞を早期に発見できる血液検査も今注目されています。
これは、まだ自覚症状のない「無症候性脳梗塞」を見つける検査です。無症候性脳梗塞はほとんど自覚症状が出ない小さな脳梗塞で、これ自体は命にかかわるものではありません。しかし今後大きな脳梗塞になる確率が、普通の人より10倍以上高くなります。高血圧の方や高齢の方、家族に脳卒中になった人がいるという方に特におススメの検査です。

脳梗塞を予防するには?

埼玉県坂戸市で進められているのが「葉酸プロジェクト」。
葉酸を多く摂取できるメニューや食品を取り扱っている店舗を紹介しています。
身体の中で葉酸が不足すると、「ホモシステイン」という物質が増加しますが、これは動脈硬化を招き脳梗塞を引き起こしやすい物質です。
葉酸にはこのホモシステインの働きを抑制し、脳梗塞などの病気を予防してくれる働きがあります。

葉酸は、枝豆やほうれん草、ブロッコリー、レバー、キャベツなどに多く含まれるビタミンB群の一種です。
加熱すると溶けだしやすく摂取しにくくなるので、スープなどにするのがおススメです。また加熱時間を短くするのもポイントです。
摂取の目安は1日240ugとなっていますが、ほうれん草やブロッコリーは100gで210ugほどの葉酸を摂取できます。

脳梗塞を発症するのは、高血圧や糖尿病、高コレステロールなど背景に何かの病気を持っている人がほとんどです。自分自身の健康をもう一度見直すことが大切です。