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第95回(2/16)

ゲンキリサーチャー:木本武宏
ドクター:谷口正実

生きるためには欠かせない呼吸。それを司っている臓器が肺です。
しかし、肺はダメージが蓄積したままで、
一度強い傷がつくと回復せず、致命的な病気を引き起こすこともあります。
実際、肺の病気の代表である「肺炎」は、死因の第三位になっています。
そんな肺が一年で最も危険にさらされるのが冬。
今回は、冬に増える肺トラブルや、近年急増中の肺の病気についてお伝えします!

冬に気を付けたい肺の病気

空気中に潜んでいる、たくさんのカビ。カビは梅雨の時期に増えるというイメージがありますが、
実は、冬も危険なのです。カビはホコリに付着しやすいため、
きれいに見える家の中でも空気中に潜んで、私たちの周りを漂っているんだとか。
また、カビは毒素やタンパク質を破壊する物質を多く持っていて、単純なホコリ・ダニ・花粉よりも肺の奥を破壊しやすくアレルギー反応を起こしやすい物質のため、アレルギー性の肺炎の原因になるとも言われています。

家の中でカビが潜む場所

<家具の裏>
壁と密着しているソファーの裏側などは、空気の出入りが少なく、湿気がこもりがちなので、
カビが生えやすい場所。カビの量はそれほど多くはありませんが、人が長時間過ごす生活空間にあるため、注意が必要です。

<手入れが不十分な加湿器>
加湿器は冬の風邪予防には効果的ですが、
掃除を怠ってしまうと、吹き出し口にはカビが発生しやすい環境になってしまいます。
こまめなお手入れを心がけましょう。

<窓>
窓にカビが多いのは、ガラスにできる結露が原因です。カビは、水分が大好物。
常に舞っているホコリが結露に付くことで、水分を元にカビは増殖してしまいます。
また、結露が乾いても、カビは掃除するまでなくなりません。
結露があるうちにこまめにふき取ることが大事です。

いろいろな肺の病気

<肺MAC症>
近年、中高年に増加中の病気。MACとは菌の名前ですが、MAC菌が肺に取り付き組織を破壊します。結核とよく似た病気で咳や息切れ、発熱などの症状がでます。
重症化すると吐血や呼吸不全なども起こしますが、結核と異なる点は、完治が難しいということ。
治療は抗生物質などの服用になりますが、手術をする場合もあります。
MAC菌自体は弱い菌ですが、プールや噴水、お風呂などの水回り、土の中など日常の至るところに
いるため、避けるのは非常に難しいと言われています。
感染を防ぐには、日ごろから抵抗力を高めておくことが大事です。
良質な睡眠、栄養バランスの整った食事、疲労やストレスを溜めない生活などを心がけましょう。
MAC菌は、人から人への感染は証明されていませんので、隔離などをする必要はありません。

<急性好酸球性肺炎>
好酸球とは白血球の一つ。ある要因が重なったときに、好酸球がその刺激に反応して間違って
自分自身を攻撃してアレルギー反応を起こし、突然呼吸困難などに陥ります。
この肺炎は、健康な人がストレスや睡眠不足などで免疫力が低下しところへ、何かの要因が重なって起こります。例えば喫煙の場合は、喫煙開始から1〜3週間で起こるケースが多いことが分かっています。
他にも粉じん、カビ、薬剤、防虫スプレー、花火の煙、寄生虫などさまざまなものが引き金になりうると言われています。また、この肺炎に一度かかった人は再発症の可能性もあります。
日ごろから免疫力アップを心がけましょう。

<百日咳>
百日咳は最近大人の罹患が急増しています。以前のような激しい咳や高熱などの症状は少ないようですが、乾いた咳が2週間以上続く場合は病院へ行きましょう。