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第69回(8/11) すい臓

ゲンキリサーチャー:レッド吉田
ドクター:杉山政則

お酒好きの人が注意しなければならない臓器といえば、
「肝臓」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、他にも危ないのが「すい臓」です。
あまりお酒を飲まない人でもかかることがあるという『急性すい炎』や、
がん発見からの生存率が低く、治る確率も少ない危険な『すい臓がん』など…
あなたの「すい臓」を守るための情報をお届けします。

急性すい炎

「すい臓」の役割の代表的なものは大きく分けて2つあります。
1つはインスリンなどのホルモンの分泌をすること。
そしてもう1つが、消化酵素の液を分泌して消化を行うことです。

消化というと胃のイメージがありますが、実は「すい臓」もその役割を担っていて、
胃で分解しきれなかった食べ物が十二指腸に送られた際、
「すい臓」が出す“すい液”によって、さらに細かく消化が行われています。

『急性すい炎』は、その“すい液”の出口が狭くなったり過剰分泌されたりすることで、“すい液”が「すい臓」の中に漏れ出し、炎症を引き起こす病気です。“すい液”は食べ物を溶かす液ですが、それが臓器の中で広がってしまうと、「すい臓」そのものを溶かしてしまうこともあるんだとか。

『急性すい炎』を引き起こす一番の原因は、アルコールです。
消化液を送るすい管の出口が狭くなったり過剰分泌が起こったりするのは、
アルコールの刺激によると言われています。飲酒による『急性すい炎』発症リスクは、
アルコール量1日60g(継続的に)。目安としてはビール中ジョッキ1杯(20g)+焼酎やワインをグラス3杯(40g)程度です。
また、普段あまり飲まなくても、急に飲みすぎると発症するケースがあるので注意が必要です。

お酒以外では、「胆石」も原因の一つになります。これは“すい液”の出口と胆管がつながっているためで、ここに石が詰まると「すい炎」を引き起こします。胆石が原因の「すい炎」は女性に多いのが特徴ですが、男性でも脂肪分を摂りすぎている方は要注意です。

慢性すい炎

『慢性すい炎』は、すい臓内の組織が破壊され炎症が持続的に起こる病気です。
『急性すい炎』とは違って、鈍い痛みが続きます。『急性すい炎』を繰り返したり、
長年のアルコール摂取が原因となり、知らぬ間にかかっているケースが多くあります。『慢性すい炎』は『すい臓がん』に移行するというリスクがあるため、注意しなければなりません。

すい臓がん

『すい臓がん』は他の臓器にできるがんと比べ、5年生存率が極めて低い危険ながんです。十二指腸や胆のうなど他の臓器とつながっているため、がんが広がりやすく、見つかった時点でもう手術できない段階であることが多いんだとか。そのような患者さんには、抗がん剤などの化学療法や、場合によっては緩和ケアが行われています。『すい臓がん』の危険因子としてあげられるのはアルコールや喫煙、慢性すい炎、糖尿病、家族歴(遺伝)などです。
『すい臓がん』は転移が早く、摘出する際は他の臓器の一部も切除します。
予防に大切なのは、症状が出る前に見つけること。
50歳以上の方は年に1回程度の検査をぜひオススメします。

番組内で紹介した
パープルリボン活動(すい臓がん早期発見の推進運動とすい臓がん患者・家族への理解と支援の活動)をすすめている団体

NPO法人 パンキャンジャパン 連絡先
TEL 03−3221−1421