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第16回(7/22) 脳梗塞

ゲンキリサーチャー:伊東孝明

夏は汗をかくことで体内の水分が減少し、血液の粘り気が増します。その結果、血液の流れが悪くなり脳梗塞を起こしてしまう場合があります。その脳梗塞から命を救うためのカギとなる、2つの時間がありました。

脳梗塞を未然に防ぐ8分

脳梗塞の前兆である「一過性脳虚血発作」、通称「TIA」。TIAを発症すると、3か月以内におよそ15%の方が脳梗塞を発症すると言われています。TIAは血栓が脳の血管に詰まることで発症しますが、血栓が小さいためわずかな時間で流れることが多く、ごく短時間で症状が完全に収まってしまうのです。脳梗塞の前兆であるTIAを感じる平均時間はわずか8分。しかしTIAは脳梗塞発見の重要な手掛かりとなるため、決して見逃してはならないのです。

「TIAの症状」
・身体の片側の感覚が鈍くなる。(感覚障害)
・物が二重に見えたり、片方の目が見えなくなったりする。(視覚障害)
・突然めまいに襲われバランスが取れなくなる。(バランス感覚の障害)
・手に力が入らなくなり食事中に箸を落とす。(運動障害)
・舌がもつれ言葉が出なくなり、意味不明な言葉を発する。(言語障害)

脳梗塞から命を救う3時間

脳梗塞の治療に使われるt-PA。日本では5年前から採用されている治療法で、それまでは脳梗塞に有効な治療法がありませんでした。しかしこの薬は誰にでもどのような状況でも使えるものではなく、脳梗塞が起きてから3時間以内に使用しないと効果が十分ではありません。
脳梗塞発症から3時間以内にt-PAを投与できれば、血栓を溶かし血流を回復することができます。そして発症から投与開始までが早ければ早いほど大きな効果が期待できます。
しかし発症から3時間を超えると、梗塞部やその周辺のもろくなった血管から脳出血を起こす危険性があるため、t-PAを使えなくなります。他にも血管の弱い人や高血圧の人にもt-PAを使用することはできません。

「脳梗塞チェック法 FAST」
・FASTのFはフェイス。笑った顔が片方にひきつっていないか確認しましょう。
・FASTのAはアーム。両方の手がきちんと上がっているかを確認しましょう。発症している場合はどちらか片方の手が下がります。
・FASTのSはスピーチ。「今日は天気が良い」や「生き字引」などの言葉を言ってもらい、呂律がまわっているかを確認しましょう。
フェイス、アーム、スピーチ3つのいずれかに異常があれば、ただちに救急車を呼ぶか専門の病院へ行きます。救命のポイントは、一刻も早く病院へ行き、血管の詰まっている部分を再開通させることです。

脳梗塞はこわい病気ですが、ほとんどの場合予防できる病気でもあります。禁煙、バランスの良い食事、適度な運動、ストレスの無い生活など、日ごろから生活習慣の改善を意識しましょう。