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製作発表

CBCが10月8日(土)午後3時-4時54分に放送する「CBC開局60周年記念 スペシャルドラマ 初秋」(TBS系全国28局ネット)の製作発表記者会見が20日、東京都内のホテルで行われた。

 「スペシャルドラマ 初秋」は、CBCが開局60周年記念の企画として松竹と共同製作したもので、今年没後20年を迎える昭和の文豪・井上靖の短編「凍れる樹」を原作に、原田眞人監督・役所広司主演で、1950年代の世界を現代風に蘇らせた作品。
 先月、第35回モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリを受賞した映画「わが母の記」(2012年公開予定)も同じく原田監督・役所主演で撮影したもので、この「スペシャルドラマ 初秋」とは連動企画になっている。

 「初秋」は、一人娘を嫁がせた後、その寂しさと葛藤する父親の姿を柱にしたストーリーで、脚本も手掛けた原田監督が独自のアレンジを加え、美しい京都を舞台に年の差を越えたロマンスに発展させているのも見どころ。

監督・脚本:原田眞人

 主役は役所さんのイメージで脚本を書いておりましたが、ヒロインを誰にするかというところで、今回初めて、すっぴんでナチュラルな芝居をして、尚且つ美人に見える中越君にお願いしました。彼女の登場シーンというのは本当にすっぴんなんですが、中越君は本当に魅力的で、役所さんの芝居との組み合わせが非常によく、僕の作品としては稀に見るロマンティックな作品だと思っています。

役所広司:松原辰平役

 原田監督とは何本もご一緒させていただいているのですが、こうやって映画と続けて仕事をするのは今回が初めてでした。現場は、映画とはまた違った雰囲気で非常に緊張感がありましたね。

中越典子:ベーコ役

 本当に短い撮影期間でしたが、とても濃密な撮影現場でした。原田さん、役所さんと一緒に、深く掘り下げていくという感覚をこの作品で味わえて、とても刺激的で楽しい時間でした。(撮影は)怖くもあり、緊張もしましたが、でも開放もできるという、なんとも嬉しい時間でした。今回の『初秋』の出来上がりが、本当に本当に楽しみです。

質疑応答

Q.井上靖作品の一番の魅力は?また、この時代に映像化する意味については?

監督・脚本:原田眞人

 井上靖先生は同じ郷里の先輩で、自分が50代半ばになって井上作品を集中的に読み始めたところ、その魅力を再発見しました。とりわけ惹かれたのは、自分と同じ世代になった井上作品の『しろばんば』で、その中に描かれた母子の愛憎入り混じった関係は素晴らしく、世界のどこででも通用するなと感じました。
 今度の『凍れる樹』は、書かれたのが50年以上も前で古いのですが、今、年の差ロマンスというのが改めて脚光を浴びていますし、60代以上の高齢者の“Love Life”が凄く充実してきています。それが今の時代につながるのではないかと思いました。

Q.ご自身が演じられた役の魅力、また役を演じるに当たり苦労した点は?

役所広司:松原辰平役

 井上靖さんの物語というのは、喋っていることや映っていること以外の物が滲み出てくるような深い作品だと思うので、その辺が演じる者としては非常にハードルが高く、難しいなと感じました。
 役柄としては、非常に堅物な部分もあるんですが、人間的な脆さも持っていますし、娘に対する愛情、どこか潜在的にベーコをずっと思い続けてきた愛情深さ、そういうところが松原という男の人間としての魅力かなと思っています。

中越典子:ベーコ役

 役柄としては、日本の古い文化がとても好きで、そういう物を美しいと思い、自分の身を持って経験して、表現するという、とても幅の広い魅力的な女性でした。何かに没頭している人でもありましたので、演じていてとても気持ちの良い女性でした。

Q.原田眞人監督作品に出るときの思いとは?

役所広司:松原辰平役

 原田監督とは、映画『KAMIKAZE TAXI』で初めてご一緒しました。その頃あまり映画には出演していなかったのですが、『KAMIKAZE TAXI』はその後いい作品として評価され、「あぁ、自分が参加した映画が、こうやって色んな国の人たちにも楽しんでもらえるんだ」という映画作りの楽しさを初めて教えてくれたのが原田監督でした。また、原田組の撮影現場は、厳しい中にも俳優たちを自由にさせてくれて、俳優として非常に刺激を受ける現場なので、それ以来いつも「いつ声が掛かるかな?そろそろかな?」と思いながら待ち続けている状態です。
 監督は色々な作品にどんどんチャレンジをしていかれる方なので、「次はどんな世界を描くのだろう?」と非常に興味深いです。なので、これに懲りずまた声を掛けて欲しいですね。

Q.原田眞人監督作品に初めて出た感想は?

中越典子:ベーコ役

 色々と怒られる一方で自由にさせてくださる喜びがあって、本当に人生を変えてしまうかもしれないような、あまりにも刺激的で、貴重な一週間でした。

Q.ストーリーでは年の差のある恋愛も描かれますが、これについては?

役所広司:松原辰平役

 ドラマは年の差のある男女が心惹かれる物語でしたので、現実では僕にはありえないことですが、ドラマの中でこうして経験させて貰えることは嬉しかったですし、現場では加齢臭が出ないように気を遣いながらやっていました(笑)。

中越典子:ベーコ役

 年の差があっても、役所さんのような男性ならもちろん良いと思います(笑)。恐縮しましたが、遠慮せずに飛び込ませていただいたという気持ちです。役所さんの持ってらっしゃる空気が何か違うような気がして、その中に入れてもらえることでまた何か自分が変わるような、不思議な感覚でした。

Q.高級クラブの場面での衣装はセクシーでしたが、着てみていかがでしたか?

中越典子:ベーコ役

 オーダーメイドの服に、シルバーのウィッグ、さらに入れ墨と、初めてのちょっと“尖った”衣装だったので、面白かったです。

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