番組審議会

第624回CBCテレビ番組審議会

開催日 2016年10月14日(金)
出席委員
(敬称略)
岡嶋昇一、喜聞広典、北川尚子、鈴木康弘、
戸苅 創、長谷川靖
(書面参加)小塩薫、嶋尾正、村瀬幸雄
欠席委員 中井昌幸
議題 1. 番組審議「イッポウスペシャル
山と生きる~火山国ニッポンの「今」」
2. 番組種別放送時間報告

1.番組審議
「イッポウスペシャル 山と生きる~火山国ニッポンの「今」」

制作 CBCテレビ 報道局 報道部
放送日時 2016年9月22日(木・祝) 16時52分~17時50分 (58分)
スタッフ ディレクター:有本 整、西田征弘、遠山愛菜、
中世古鋭児
撮影:今井貴之、木村 光、岩田章敬
プロデューサー:大園康志
ナレーション:森本レオ(俳優)
加藤由香(CBCアナウンサー)

《企画意図》

死者・行方不明者63人。“戦後最悪”の火山災害となった一昨年9月の御嶽山の噴火。
CBCテレビは、噴火から丸一年の節目に1時間のドキュメンタリーを制作しました。この中で、火山性地震の頻発に加え、噴火の11分前にもその予兆(=火山性微動)を捉えながら、登山者に危険を知らせることが出来なかった盲点を指摘。なぜ、入山規制が出来なかったのかという遺族の思いを軸に、日本の火山防災の課題に迫りました。

更に1年が経過した今、行方不明者の親族、犠牲者の遺族たちの思いは?観測態勢や対策はどこまで進んだのか?地元の思いは?『イッポウ』大石キャスターのナビゲートで、日本の火山防災、火山との共生を考えます。

《番組内容》

噴火から2年。今も、5人が行方不明のままです。
白い噴煙が立ち上る山頂は、立ち入りが禁止されていて、近づくことができません。
息子や妻は、どんな思いで山道を辿ったのか。最後に見たのは、どんな景色だったのか。
少しでも、近くに行きたい。いまだに還らない息子の手がかりは・・・。
残された人たちは、それぞれの思いを胸に、一歩一歩、山を登っていきます。
山と向き合うために。
御嶽山を観光の柱としてきた麓の町、噴火災害の“打撃”はいまだに続いています。
山を正しく恐れ、観光をどう立て直すのか?山と生きるための苦悩と模索が続きます。
噴火が起きても、災害にはしない。
観測態勢は強化され、山小屋も噴石に耐えられるよう建て替え工事が始まりました。
御嶽山噴火から2年で、動き始めたこと、いまだに動かないこと・・・。
北海道・有珠山、熊本・阿蘇という代表的な火山とそこに暮らす人々の思いも取材し、日本の火山防災の「今」、火山との共生とは何か?を考えます。

★【参考】
2015年9月27日(日)15:30~16:30
『御嶽山噴火~火山列島ニッポンに生きる』を放送。

《審議委員の主なご意見》

  • 日本は火山災害が起きるということを思い出させる良い番組である。
  • 噴火災害から2年たった今を、被害者の立場、地元観光地の立場から描いており、どちらの立場から見ても価値のある番組である。
  • この番組は自然の恵みを意識することが、逆に災害を忘れないということに繋がるというメッセージも発信している。全国で放送してほしい位だ。
  • 多角的で木目細やかな取材を重ねており説得力のある番組である。災害被害を風化させてはいけないというメッセージが良く伝わった。
  • この番組は、テレビ映像が伝える力の大きさを感じさせる。
  • 北海道・有珠山の噴火災害を経験した人が語った「山と生きるのではなく日本に生きる」という言葉は、自然との共存共栄の大切さを強調する
    この番組の意図をよく表現している。
  • いち早く復興を願う地域住民の視点、火山災害で家族を失った遺族の視点、防災に取り組む人々の視点など、様々な切り口で今回の火山災害が詳細に取材されており、火山に対するいろいろな気持ちが伝わってくる。
  • 災害被害者の家族が、観光による地元の再建をどう思うか。逆に、観光による復興を望む地元の人たちが、被害者家族のことをどう思うか。
    こうした事が描かれるとさらに番組内容に深みが加わった。
  • 自然災害を描く番組は継続することに意義があるので、噴火から3年後、5年後の復興状況、地元の人たちや遺族の心の移り変わりなどを番組にしてほしい。
  • 森本レオさんのナレーションは朴訥ながら、勇気付けられるものであり、番組が発信する「山と生きる」というメッセージが心に残った。
  • 番組放送後、実際に阿蘇山が噴火した。今回の番組を見ていた人たちは、阿蘇山の噴火を冷静に見られたのではないか。こうした災害番組は、視聴者に役立つという一面をもっている。
  • 「山と生きる」というタイトルが漠然としている上、内容を盛り込みすぎているため、番組の意図が分かりにくいのが残念だった。

2. 番組種別放送時間報告

テレビ担当から説明があり、了承を受けた。

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