三重県桑名市、多度大社。およそ700年伝わる「上げ馬神事」が行われる。
六地区の少年騎手が馬を駆け、 壁を乗り越えるか否かでその年の豊凶が占われる。
その重責を担う少年騎手は神占いによって選ばれ、騎手となった少年は、その後およそ一か月に亘り、乗馬訓練と清浄な生活を営む。
猪飼地区の騎手、野呂啓一郎君も青年会の先輩たちと訓練に励む。
乗馬経験のない啓一郎君だが、亡き父の思いや母の励ましを胸に刻みながら徐々に成長してゆく。
祭りのしきたりは厳しく、母と別れ、自身で料理を作る日々。
滝つぼで身を清める。
そして迎えた本番の日、啓一郎君はいよいよ馬に騎乗。
壁の上には青年会の皆が期待を込めて待ちかまえる。
やがて、啓一郎君は馬とともに滑走する。