CBC制作のドキュメンタリー「笑ってさよなら〜四畳半下請け工場(こうば)の日々〜」(英語版)が、世界四大映像祭のひとつに数えられる「モンテカルロ・テレビジョン・フェスティバル」のニュースドキュメンタリー部門で、最優秀作品賞にあたる「ゴールデンニンフ賞」を受賞しました。

モンテカルロ・テレビジョン・フェスティバル

この番組は、名古屋市南区のトヨタの四次下請け工場が廃業するまでの半年間を追ったもので、CBCで去年5月26日に放送したものです。
表彰式は6月10日にモナコ公国・モンテカルロのグリマルディ・フォーラムでおこなわれ、CBC報道部の大園康志プロデューサーとドキュメンタリーに出演した小早川弘江さんが出席しました。

モンテカルロ・テレビジョン・フェスティバルは今年で51回目を迎える国際番組コンクールで、アメリカの国際エミー賞などと並び、世界四大映像祭のひとつに数えられます。

なおCBCの制作した番組がこのテレビ祭で受賞するのは 、1999年に「スペシャルドラマ 幽婚」がテレビ・フィルム部門でシルバーニンフ賞(脚本賞)を受賞して以来3度目で、最高賞であるゴールデンニンフ賞を受賞するのは初めてです。
また、日本の民間放送が制作した番組がニュースドキュメンタリー部門で最高賞を受賞するのは初めてです。

<大園プロデューサーのコメント>

信じられないことが起きたというのが正直な気持ちです。
CBCの先輩・同僚から学んできたドキュメンタリーの手法が通じたことは何よりの励みです。表彰式に参加した小早川弘江さんはモナコでも名古屋パワー を炸裂させ、人気の的となりました。仏語も英語も使わず日本語で笑いをとっていました。その姿を見て、世界にご紹介できた幸せを感じつつ、モナコに"笑ってさよなら"しました。

<西田ディレクターのコメント>

「四畳半」を映した小さな番組を、世界のコンクールで認めていただき、大変嬉しく思っています。
自動車が売れなかった"トヨタショック"からエコカーブームが始まり、東海地方の経済が大きく揺れていた頃。そのニュース取材の中で、小早川さんたちと出会いました。
小早川さんが率いる四畳半の工場には「笑い声」が絶えません。しかし、その小さな出来事から見えてくるのは・・・。
今回の受賞をきっかけに、より多くの方にご覧いただき、ご意見をお聞かせいただければと思います。

<審査員の評価>

※審査員はヨーロッパを中心に世界各国のテレビ局関係者ら15名で構成
・「構成が巧みで、まさにプロフェッショナル」
・「告発だけがドキュメンタリーではない。静かに描き出しているのがすばらしい」
・「経済(問題)の新しい切り方を見せてくれた」


プロデューサー 大園康志(報道部)
ディレクター 西田征弘(報道部)
構成 松永英隆(ホーボーズ)
撮影 安田耕治(CBCクリエイション)
音声 下野龍章(東海ビデオ)
編集 平野雄一郎(CBCクリエイション)
音響効果 今井志のぶ(東海サウンド)
ナレーション 平泉成

トヨタショックが中部経済を直撃。
ナゴヤは元気を失ったと言われました。
取材を続ける中、その枠組みに収まらない「元気な」女性が現れました。
それが小早川弘江さん。この番組の主人公です。
自動車産業の「4次下請け」という工場が置かれた苦しい状況も笑い飛ばしてしまう。
その不思議な魅力はどこから来るのか。
日々のニュースで伝わらない小さな町工場の物語を通じて、自動車産業や中部の今を見上げてみました。

名古屋市南区で小さな「工場」を営む
小早川弘江さん56歳(当時)。
わずか四畳半ほどのスペースで手がけているのは自動車部品の接着作業。
ここはトヨタ自動車の下請けの下請けの下請けのそのまた下請け。
4次下請けの町工場。
手がけた部品がどこに使われているかは知りません。
在庫とムダを省く「かんばん方式」の中、"上の会社"から仕事が届くのはいつも前日の夕方。
多いのか少ないのか、あるいは全く無いのか。
その時までわかりません。
それでも工場には「笑い」が絶えません。
今、エコカーブームで工場は大忙し。
トヨタショックでは半年間、仕事が全くありませんでしたが、今度は仕事に追い立てられる日々。
そんな中、小早川さんは決意を固めます。
「笑ってさよなら」しようね、と。
番組では、工場を閉めるまでの半年間を静かに見つめます。
四畳半の小さな小さな町工場の最後の姿と「笑い声」を通じて、自動車産業を支えてきた地域の今を描きます。

●第30回「地方の時代」映像祭 グランプリ
●JNNネットワーク協議会賞 特別番組賞