第43回 中日クラウンズ
 
今大会のみどころ
 
ジャスティン・ローズ
アマチュア時代に全英オープン4位の快挙を成し遂げたジャスティン・ローズ
「勝者の条件は爆発的な攻撃力」


 今大会の優勝候補を探ってみよう。昨年度チャンピオンのダレン・クラークは、4日間通算で、1イーグル、21バーディ、10ボギーの13アンダーを記録した。勝者にしてはボギーの数が多いが、バーディ数で他を圧倒している。この記録から、ある程度のリスクは覚悟の上で、攻め続けることで活路を拓いたことがうかがえる。クラークのようにショットが鋭く、爆発的な攻撃力を持った選手、そんなタイプの選手が今年も優勝戦線に浮上してくるだろう。

 その条件に合う筆頭は、やはり2001年の賞金王伊沢利光だろう。昨年のツアーにおける部門別データを見ても分かるように、抜群のショットの切れ味と安定したパットで総合力ナンバー1を誇る日本の第一人者だ。表情は穏やかだが、アグレッシブなゴルフを身上にしており、バーディを量産する力は十分にある。しかも、このタイトルは伊沢にとって念願のタイトルでもある。クラウンズには、かつてベストアマになった選手は優勝できないというジンクスが未だに生きているが、それを破るべき時が来たと言うべきだろう。

 この伊沢に匹敵すべき強者が、片山晋呉と谷口徹だ。片山は昨年のツアーデータで、平均パット数第1位。和合が「グリーンに乗せてからの勝負」に変わったのなら、パッティングリーダーの片山にとっては絶好の舞台となる。しかも、波に乗った時の片山は、誰も手がつけられないほどの爆発力を発揮するから、勝者の条件を十分満している。一方の谷口の破壊力も凄い。トレードマークのサングラスと常にクールな姿勢から、和製デビッド・デュバルと呼ばれているが、確かに谷口の底力はデュバル級だ。それをまざまざと見せ付けたのが、今季の開幕戦、東建カップの最終日だ。この日の谷口は1番のバーディで攻撃モードに入ると、なんと11バーディ、ノーボギーのツアー記録に並ぶ61をマークして、大逆転優勝を達成した。谷口が、その真価を発揮したら、あっさり王冠を奪ってしまう可能性は十分にある。

 この他にも、昨シーズンのパーオン率第2位というショットの切れ味でクラウンズでも2位に入った深堀圭一郎、昨年大会初出場ながら初日にいきなりコースレコードタイとなる62をマークしたディーン・ウィルソン、「平成の公式戦男」と呼び声の高い宮本勝昌、昨シーズン終盤から絶好調を続ける室田淳なども、優勝争いの一角に加わって来るだろう。そして、実績ナンバー1のジャンボは、今季の静岡オープンで2位に入って衰えを知らない力を見せつければ、中嶋常幸も昨年から調子を上げて復活目前。底力のあるベテランが虎視眈々優勝を狙っている。

 また、注目すべきは海外から挑戦してきた二人の才能溢れるヤング・ライオンだ。4年前、17歳のアマチュアで全英オープン4位の快挙を成し遂げた英国のジャスティン・ローズは、今季すでに2勝を挙げ、今当たりに当たっている天才ゴルファーだ。その底知れぬ才能を持ってすれば、日本勢を圧倒するこ ともあるだろう。一方のアーロン・バデリーも、稀に見る実績を持つ凄い大器だ。1999年、18歳にしてオーストラリアン・オープンに優勝。アマチュアとしては30年ぶりの偉業を達成すると、プロ転向した翌年にはあっさりこのタイトルを連覇してしまった。グレグ・ノーマンの後継者として熱い注目を浴びているバデリーが、クラウンズの台風の目になる可能性は十分なのだ。ともに恐れを知らないアグレッシブなゴルフを身上としている選手だけに、爆発的なバーディラッシュを見せてくれるかもしれない。

 日本を代表する実力者か、勢いのある海外の若手か、いずれにせよ、今年の中日クラウンズは新旧入り混じっての白熱した優勝争いが展開される。

アーロン・バデリー
オーストラリアのスーパールーキーとして注目を集めるアーロン・バデリー

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