暮らしに鉄分
 
 
3月14日火曜日 カニが泡を吹くのはナゼ?
 

世の中にはぜいたくな食べ物がたくさんありますが、そのうちの1つにカニもありますね?なかなか口に入らないし、めったに生きたカニにお目にかかることはないかもしれませんが…
今朝は、そんなカニに関する疑問。今週のそぼQはコチラです!
「カニが泡を吹くのはナゼ?」

泡吹いているの、見たことありますよね?あれ、なんで吹いているんでしょう?
我々人間からすると「カニが泡を吹く姿」=「いかにもカニっぽい様子」にも思える微笑ましい風景にも見えるんですが…。

*回答*
当のカニにとっては、そんなこと言ってる場合じゃないらしいんです。
普通のカニは、多くが水中で生活しているのだが、普段は泡を吹かない。
水から出されてしまうと、泡を吹く。水から出されてしまって、なんとか呼吸しようと悪戦苦闘している。
すると、だんだん泡が出てくる。カニは、泡を吹こうとして吹いているワケではない。
文字どおり「泡を食って」しまっている。
カニは、我々とは違って「エラ呼吸」である。エラ呼吸というのは、水があるからこそ呼吸ができる。水に溶けている酸素を、エラによって取り出すことで呼吸する。
つまり、カニは魚と同じように「水が無きゃ、息ができない」。

でも、ちょっと待って!同じエラ呼吸でも、魚の場合陸に揚げてしまうと、わりとすぐに死んでしまうし、そもそも魚は泡を吹かない。
一方、カニは陸に揚げてもぼちぼち生きている。生きていて、しばらくすると、泡を吹き始める。この違いは何なの?

じつは、カニは陸に揚げられても、しばらくの間だったら、息ができるんです。
甲羅の中や口にある水分をリサイクルしながら、口とエラのところで循環させながら、なんとか呼吸をしようとする。
なんとかエラに水を通そうとして口のところでもがく。そうしたことを何度も何度もやっているうちに、水の塩分が濃くなったりあるいは新陳代謝によって排泄物が出てくると、水の粘性が高まって泡となる。
魚のエラは、比較的外からも見えますね。常に新鮮な水がエラのところにないと(=水の中にいないと)、魚は呼吸ができないんですが…
カニのエラは、甲羅の中にあります。かわいそうだけど、我々がカニを食べる時に、いわゆる「ふんどし(お腹側から見て、△に見える部分)」をバカッ♪と開けると、中の両サイドに、ビラビラッとした細長い三角形が折り重なったスポンジみたいな組織がある(=食べられない部分)。あれがカニのエラ。
カニのエラは、まわりが甲羅で包まれているし、あんなふうにスポンジみたいなので、ある程度「水をふくませて貯めておける」んですね。
まぁ言うなれば、人間がスキューバダイビングで水に潜る時に「酸素ボンベ」をかついで行くことの逆バージョン。カニのエラには、陸上でもある程度ならば呼吸ができるように「水ボンベ」機能が付いている。
しかし、あくまでもボンベ=貯めておいた水を何度もリサイクルしているだけに過ぎない。だんだん苦しくなる。しかも、体内の水≒海水は,どんどん蒸発して濃くなっていく。海水は淡水に比べて粘り気が強い。そのため、次第に口の部分で泡となっていく。

なので「カニが泡を吹いているなぁ。あれっ?泡を吹かなくなったぞ?」と思ったら、それは元気が無くなってきた証拠です。
したがって買ってきたカニが泡を吹いているのを見かけたら、これ以上むやみに苦しませるのは申し訳ない。サッサと美味しく食べてあげるのが、せめてもの情けかも(笑)
協力:碧南海浜水族館 館長 増田元保さん