暮らしに鉄分
 
 
3月7日火曜日 犬の鼻が濡れているのはナゼ?
 

朝、ウォーキングを兼ねて犬の散歩に行く、という人も多いと思うんですが…そんな犬に関する疑問。今週のそぼQはコチラです!
「犬の鼻が濡れているのはナゼ?」

濡れてますよね?犬がじゃれついて顔をすりつけてくると、鼻が当たってヒンヤリ感じることも…。あの犬の鼻、なんのために濡れているのか?よく「鼻が乾いていると犬は体調が悪い」というけど、あれはホントなのか?

*回答*
まずは、そもそも犬はどのようにして鼻を濡らしているのか?犬は、こんな仕組みで鼻を濡らしていたんです。
鼻を濡らしている液体は、「外側鼻腺(がいそくびせん)」という分泌腺から出る液体。さらに、もう1つは「涙」。
犬の鼻の穴の奥(穴の外側のほう)には「外側鼻腺」と呼ばれる器官があって、そこから粘り気のある分泌液が出ているんですね。この分泌液が、鼻の穴の出口から出てきて、ジワジワッ♪と染み渡る格好で鼻全体を濡らしている。
そしてもう1つは涙。犬も、人間と同じように瞳をうるおすため、常に涙が分泌されているんですが…(涙腺=目尻の奥から分泌されている)
目にとって涙腺が「上水道」だとすれば、ちゃんと「下水道」もある。
その下水道が「鼻涙管(びるいかん)」という管(くだ)。目頭の奥のほうにこの鼻涙管という管はあるんですが、目をうるおした後の涙はこの管を通じて鼻の穴へと流れ込み、やっぱりジワジワッ♪と穴から染み出す形で、鼻全体を濡らしているんですね。
※ちなみに人間にも、犬と同じく外側鼻腺や鼻涙管は一応あるにはあるんですが、人間の場合はあくまで鼻の穴の中だけをシットリさせるだけ。犬みたいに鼻の表面を濡らすことはない。

では、いったい何のために、犬はわざわざ鼻を濡らす必要があるのか?
それには、主に2つの理由があるんですが…

まず、1つめの理由は、コチラです。
犬が鼻を濡らしている理由の1つめ。それは「加湿」です。鼻の穴の奥のほうには「ニオイを感じ取る細胞」=「嗅(しゅう)細胞」がある。この嗅細胞は、湿度が高いほうが、ニオイを敏感に感じ取れるんですね。
したがって、嗅覚が非常にするどい生き物 = 犬としては、鼻の周辺の湿度を常に高い状態で維持しておきたい、というワケなんです。
※余談だが、日本人は欧米人に比べニオイに敏感とも言われている。これは、日本の気候が湿度が高いため、日本人は繊細なニオイを嗅ぎ取れるようになった、と考えられている。欧米人は、ニオイが強くないと感じない(だから体臭や香水がキツくても平気?)

そして犬が鼻を濡らしている2つめの理由。それは、ゴルフ場でお父さんたちがやってる「あの仕草」と、目的としては同じだというんです。
犬が鼻を濡らしているもう1つの理由は、「風向きを知るため」。
犬は、今や人間に飼い慣らされたペットですが、元々はオオカミと同じように狩りを行う生き物(肉食獣)です。狩りをする上でもっとも重要なことは、「獲物がどっちの方角にいるのか正確に見極めること」=「獲物のニオイが、風上から来るか?風下から来るのか?を判別すること」なんですね。
つまり、犬の鼻が濡れているのは、狩りをするための「嗅覚アップ!」と「風向センサー」。この2つの目的のため、だったんです。

したがって、じつは犬の鼻は、常に濡れているワケではないんです。
寝ている時は、犬の鼻は濡れていない。乾いている。
犬の外側鼻腺は、犬が活動している時に活発に働く。寝ていると働かないので、分泌量は低下する。
また、寝ているときは「目をつぶっている」ので、まばたきしないために涙もたくさんは出ない。
犬は元々は肉食 = 自分は襲われない。そのため、寝ている時は鼻を敏感にしたり、風向きを知る必要がないんです。
「え〜っ!?じゃあ昔からよく言う『犬の鼻が乾いてたら、体調が悪い』っていうのはウソなの?!」と思うかもしれませんが、あれは半分ホント。但し、「犬が、目を覚ましているのに = 起きているのに、鼻が乾いていたら」です。
犬が起きているのに = 起きていたら本来は鼻が濡れるはず。なのに、もしも乾いているとしたら、「熱がある(高熱で鼻の水分が蒸発)」とか「脱水症状になっている(鼻を濡らす水分が不足)」などの症状が考えられるとのこと。
とは言っても、犬は鼻が濡れてても体調が悪いことも多いので、「鼻の乾き」だけで、犬の病気を判断しないように…。元気が無ければ、病院へ!
協力:高円寺アニマルクリニック 院長 高ア一哉先生