暮らしに鉄分
 
 
2月7日火曜日 裁判官が、黒い服を着ているのはナゼ?
 

裁判の場面…。法廷のお話でございます。なかなかね、普段は目にすることのない場所。と言うか、目にしたくない場所かもしれませんが…。
でも、よく大きな裁判などが行われると開廷前の裁判官の様子が映像でも流れますね。
またテレビドラマなどで裁判官の姿を見かけたこともあると思います。
そこで今週のそぼQはコチラ!

「裁判官が、黒い服を着ているのはナゼ?」
着ていますよね? なんと言うか、言葉は悪いんですけど デザインとしては園児が着るスモックのような…。但し、色は「黒」の服を…。

*回答*

まずは、裁判官が着ている あの服の名前から。こういった名前なんです。
あの服は「法服(ほうふく)」と呼ばれている。裁判官の制服。
あれは、裁判所から支給・貸与されている。帰る時には、それぞれのロッカーに仕舞って帰る。
ちなみに裁判官だけでなく 裁判官の壇上の下にいる「裁判所書記官」も、同じように黒い服 = 法服を着ています。但し、裁判官の法服の素材がシルクであるのに対し、書記官の法服はコットン。やや素材に格差が設けてあります(笑)

じつは あの法服。ぜったいに「着なくちゃイケない代物」だったんです!
最高裁の規則の中に「裁判官の制服に関する規則」という規定がある。
【裁判官は、法廷において制服を着用するモノ】と規定されている。つまり裁判官は、裁判の時に あの黒い服 = 法服を着ることが、法律で義務づけられているんです。
(法服は色だけでなくデザインも法律で決められている。男性用・女性用がある)
(法律で服装などを決められているのは、裁判官だけ。検察官や弁護士は自由。
但し、品位は求められるので、変な格好をしていると注意される)

なぜ法律で義務づけてまで、「裁判官は あの黒い服を着るべし」と定められているのか?
それは「黒」という色には、こんな意味が込められているからだったんです。

黒は「どんな色にも染まらない」ため、裁判官としての気風を表している。
「いずれにも肩入れしない」「公平・中立に裁く」という意味合いを、色で表すならば、黒がもっとも適切だということ。
花嫁さんの衣装・白無垢の まったくの反対の意味ですわ。あれは「アナタ色に染まります」という意味らしいですから(笑)。
なお、あの法服。ものすごく歴史が古く1890年(明23)から始まっている。
戦前は 黒い服だけでなく、黒い烏帽子(聖徳太子がかぶってるようなやつ)をかぶることも義務づけられていた。
しかも 黒い服を裁判官が着るのは、なにも日本だけではない。例外はあるが(ドイツは赤色)、ほとんどの国で 裁判官は「黒い服」着ることになっている。
やはり意味合いとしては「何モノにも染まらない」という意思を示している。

ところで、法廷の場には 私たち市民も直接参加するようになってますよね?
2009年から裁判員制度が始まってます。
じつは、その裁判員も…。つまり私たち市民も…。あと もう少しのところでひょっとするとあの法服を着ることなっていた(?)かもしれない、というんです。
当初は「裁判員にも、裁判官と同じ法服を支給すべき」という意見もあった。
しかし最高裁の公式見解では「現時点では、裁判員に法服を支給することは考えていない」と決まった。
今は「普段着の姿で来て下さい」ということになっている。
裁判官の法服はシルク。書記官の法服はコットン。「だったら裁判員の法服は黒いポリエステルで…」という案も出たようですが、現実には「普段着でOK」というところに落ち着いたらしい。なんだか ちょっぴり残念(笑)
協力:あすなろ法律事務所  弁護士 國田武二カ先生