暮らしに鉄分
 
 
1月10日火曜日 酔っ払いが、同じ話を何度もすることを『くだをまく』というのはナゼ?
 

お酒を飲んだ時に出現するのが、酔っ払い。世の中にはいろんなタイプの酔っ払いがいますが…。今週のそぼQはコチラです!

「酔っ払いが、同じ話を何度もすることを『くだをまく』というのはナゼ?」

*回答*

いますよね? くだを巻いている本人は きっと気持ちいいんでしょうけど(笑)
でも、あの「クダ」というのは いったい何なの? それに「まく」というのは何かをクルクル巻く? それとも種を蒔く?
とりあえず「まく」は ちょっと横に置いておきまして…。まずは「クダ」のほうから考えてみましょう。

じつは「クダ」というのは、こういった「道具の名前」だったんです。
糸を紡ぐのに、使う道具に「糸車」というものがある。
かつて、手作業で絹や綿で糸を紡いでいた頃。左手で より合わせて、出来ていく糸を、右手で「糸車」を回しながら、穴の開いた「管(くだ)」に糸を巻き付けていく、という作業がありました。
現在は、多くが機械化されていますが理屈は同じ。あの 糸が巻き付けてある穴の開いた軸のことを「管(くだ)」と呼ぶんですね(女子には「ボビン」と言ったほうが分かりやすいかな?)。
ですから、当然ですが「くだをまく」の まくは、糸を巻くの「巻く」ですね。クルクル♪巻くほうの巻くです。
でも、なんで「糸車を回して、管(くだ)に糸を巻く行為」=「管を巻く」が、酔っ払いが 同じ話を何度も繰り返すことを意味するようになったのか?それには、主に2つの理由があるんですが…

まずは1つめ。「管に 糸を巻いていく(管巻き)」という作業が、こんな作業だったからです。
糸を、紡ぎながら管(くだ/ボビン)に巻いていくというのは、すべてを手作業で行っていた時代には、途方もなく大変な仕事でした。やってもやっても終わりが見えない。まさにエンドレスです。
「はぁ〜 これ、いつになったら終わるんだろ?」というのが、管を巻くという作業。酔っ払いの終わらない話を聞かされている側もそれと同じ気持ちになる。…ということから、酔っ払いが 同じ話を繰り返すことを「管を巻く」と呼ぶようになった、というんですね。

さらに! もう1つ重要なポイントがあるんですわ。それは『音』です。「糸を 紡いで管に巻いていく時」=「管を巻く」という作業をする時には こういった「音」がする、というんです。
糸車を回すと、管が「ブゥ〜ブゥ〜♪」と うるさい音を立て続ける。
酔っ払いが、クドクドと しかも つまらない話を 繰り返し繰り返し言う。ひたすら「ブゥ〜ブゥ〜♪」うるさい。
そのうるささを、酔っ払いの うるさい姿と重ね合わせた。
酔っ払いの話は「いつまで経っても終わらない」だけじゃなく「うるさい」っていうことなんですね。だから「管を巻く」と呼ばれるようになった。(早く終わってくれよ〜、という気持ちが込められている)

世の先輩方、大丈夫ですかね? 自分では「ためになる話を、後輩にたくさんしてやった」と思っていても、後輩からは「ブゥ〜ブゥ〜♪ うるさいわ!」と思われているかも?(笑)

協力:岐阜市立女子短期大学 学長、杉山寛行先生