暮らしに鉄分
 
 
12月20日火曜日 肉には赤ワイン、魚には白ワインと言われるのはナゼ?
 

この時期、お酒を飲む機会も増えますよね? 世のお酒好きには「私はビール派!」「いやいや焼酎だよ」「ぜったいに日本酒だ」いろんな人がいるかと思いますが…
そんな中、近ごろは「ワイン好き」も多いですよね。そこで今回のそぼQはコチラ!

「肉には赤ワイン、魚には白ワインと言われるのはナゼ?」

*回答*

この「肉=赤」「魚=白」という組み合わせ。そもそも本当に合っているのか?
合うとすれば、それは何ゆえに? 科学的に解明してみました。
そもそも我々 人間は、どんな料理を食べ、どんなお酒を飲んだ時に「この料理と酒は、合っている」=「料理と酒の相性が良い」と感じるのか?(どんな条件がそろうから、肉と赤、魚と白が合っている、と感じるのか?)
それを確かめるため、鈴木さんたち研究チームは「味覚センサー」という機器(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味の5つの味覚の強さやバランスを計測する機械)を用いて、赤・白のワインと 肉・魚の味の特徴を調べた上、それらを一緒に食べた時どうなるか?(相性は?)を計測したんです。
その結果、料理と酒との相性を決定づける要因には「2つのこと」がある、ということが判明しました。

まずは1つめの科学的な要因。料理と酒の相性を決めるのは、コチラです。
料理と酒が「合っている」と感じるために大事なこと。1つめは「料理の味の種類と、酒の味の種類が異なる」ということなんですね。
例えば、肉料理の美味しさというのは、主に「旨味と、甘味(≒脂身の味)」が中心になって構成されている。
これに対して、赤ワインの美味しさというのは、主に「苦味(渋味)」が中心となっているんです。つまり、赤ワインの味わい(苦味)は肉の味わい(旨味・甘味)とぶつからない。ケンカしないんです。
一方、魚料理の美味しさというのは、主に「旨味と、塩味」が中心です。
これに対して、白いワインは「酸味と、甘味。あと若干の苦味」が特徴。
つまり、白いワインも魚の美味しさとバッティングしない。
もしもこの組み合わせを反対にすると…。例えば、肉料理に白ワインを持ってくると「甘味」だけがやたらに突出してしまって、単一な味わいに感じてしまう、というんですね。

でもね。「だったら、魚料理(旨味・塩味)に、赤ワイン(渋味)を持ってくれば合うはずじゃんか?!」と思うかもしれません。
そこで大事になるのが2つめの要因です。料理と酒が「合っている」感じるためには、「味の種類が異なる」だけではダメなんです。

もう1つ こんな要因も、大切なんです。
もう1つ「味の強さ」が「同じぐらい」であることが重要。
味の強さが同じ程度でないと、味の強いほうが弱いほうを打ち消してしまう。
赤ワインや肉料理は、味の強さが「強い」。一方、白ワインや魚料理は、味の強さが「弱い(優しい味)」。
赤ワインは「苦味が突出」しているんですね。そして肉料理も「旨味と甘味が突出」している。強いモン同士だから相性が良い。ところが…
魚料理は「旨味・塩味」の両方が、バランス良く配合されている(どっちか一方の味が、突出しているワケではない)。そこに、突出した赤ワインの苦味を加えてしまうと、魚の旨味・塩味が消されてしまうんです。

つまり「料理が持つ、美味しさの種類」が「お酒の持つ、美味しさの種類」と異なりつつ、それぞれの強さが バランス良く釣り合っている(= 口の中で、料理と酒の味が混じり合った時に、どれか1つの味だけが突出しない)と、私たちは「この料理と この酒は合っている」と感じる、というワケなんです。
このことを知っておくと、赤白のワインに限らず、「あらゆる 他のお酒がどういった料理に合うのか?」も分かるんです。

例えば、ビールの場合。ビールの味の特徴を思い浮かべて下さい。すると、こういった料理との相性が良いことが分かるんです。
ビールは「苦味」が「けっこう強い」。
なので、旨味や 塩味が強い「から揚げ」などが合う。「味が濃いおつまみ」と相性が良い。
じつは 苦いお酒って、ビール以外に あまり存在しない。しかも、世の中の料理には 苦味だけが突出したモノは少ない。したがってビールは、多くの料理に合わせやすい万能のお酒でもある。
但しビールは苦味が「強い」ので、料理も強い味のモノじゃないとバランスが取りづらい。なので、ビールには「味が濃い料理」が合うんです。

では つづいては「日本酒」。日本酒の味、思い浮かべてください。こういった特徴に注意しておくと 料理に合わせやすいんです。
日本酒は、1つの味が突出していない。塩味以外の味が すべて存在する。
そこに「塩味」を足すことで、すべての味がそろう。
日本酒というのは、塩味以外の4つの味〔甘味・酸味・苦味・旨味〕がすべてバランス良く配合された、世界的に見ても珍しいお酒。特に「旨味」が含まれる酒というのは、かなり稀有な存在らしい。
したがって料理によって、唯一足りない「塩味」だけを足してやれば、合うんです。確かに、日本酒の升酒なんて 塩を舐めながら飲んだりしますもんね。
但し日本酒は、それぞれの味の、強さそのものは弱いので、味のハッキリした料理と合わせてしまうと、バランスが崩れてしまうとのこと。

そして、最後は 焼酎の 料理との合わせ方です。
焼酎は、甘味や旨味が 蒸留酒のため、少ない。
甘味や旨味が強い食べ物。例えば、焼き鳥の「タレ」などと相性が良い。
焼酎の味は「強い辛さ」が特徴。だから、それに負けない「強い甘味・旨味」を料理で加えてやると、合っていると感じるんですね。
ちなみに、同じく蒸留酒のウイスキーも 同じような特徴があるので、強い甘味・旨味と合わせれば良い、とのこと。
こういったウンチクを傾けつつ、いろんなお酒を飲んでみては? 但し、飲み過ぎにはくれぐれもご注意を(笑)
協力:味博士研究所 所長、鈴木隆一さん