9月3日水曜日 遺伝子とがん(4)
 
 分子標的治療薬を始め、がんをターゲットにした新しい薬は続々と登場してきていますが、反面、当初は予想もしていなかった“新たな敵”が現れているのも現実です。名古屋大学大学院 医学系研究科 教授 高橋雅英先生に、感染症を例に教えて頂きました。
 戦前から戦後直後までは“病気”というと感染症との戦いでした。(結核などが代表例!)しかし、抗生物質が発見され、これで人類の圧勝かと思いきや・・・一部の感染症に関しては、耐性菌という抗生物質が効かない細菌が出現してきました。そして、今、実は、がんの分野でも、これと似たようなことが起きてきているそうです。つまり、がん細胞を新薬で叩いて治しても、一部から“薬が効かないがん細胞=抗がん剤耐性のがん細胞”が出現してくるケースがある!こういった抗がん剤耐性のがん細胞には、これまでとは違った遺伝子異常が見られます。つまり、また新たな治療薬を開発しなければならないのです・・・。
 がんという手強い相手に対して、人類は、いわゆる5年生存率が50%を超えるところまでは(比較的)順調に治療法の研究が進んできました。しかし、そこからの壁は相当に厚いとか。今、世界中の医療関係者が、なんとか5年生存率を60%、70%・・・にあげていくべく、必死に研究に取り組んでいます。研究が進んで、遺伝子に関しては様々なことがわかってきていますが、その数30億塩基とも言われるヒト1人の遺伝子配列。まだまだ、研究の余地は膨大!世紀の新発見も、この中に隠れているかしれません!