8月27日水曜日 遺伝子とがん(3)
 
 ひと口に“胃がん”“肺がん”・・・と言っても、実は、その中には様々な種類があります。たとえば“肺がん”を例にとると、大きくわけて“扁平上皮がん”“腺がん”“小細胞がん”“大細胞がん”の4種類に分類できますし、それぞれ“顔つき”も違えば“性格”も違います。当然、治療に際しては“どのタイプのがんなのか”が知りたい!その理由は、もちろん、それだけ、より適切な方法を選択することができるからです。
 実は、こういった診断技術は、1980年代以降、急速に発展してきました。その1つのターニングポイントが、遺伝子(DNA)を短時間で増殖させる方法の発見です。この研究は、ノーベル賞も受賞していて、名古屋大学大学院 医学系研究科 教授 高橋雅英先生によると、先生が研究を始めた20年前なら1週間以上かかっていたことが、今では1〜2時間でできてしまうそう!つまり、1つ(1分子)しかない遺伝子を数時間で何十万倍にも増やすことができるようになったので、がん細胞の診断も飛躍的に簡単になったというわけです。
 こういった診断は、今後、多くのがん拠点病院で、日常的に行われるようになると予想されています。また、がん細胞で“悪さ”をしている“何か”を解明すれば、新しい薬が開発できる可能性もあります。ある特定の乳がんで標準治療として確立されてきた分子標的治療薬などは、その典型例なのです!