8月20日水曜日 遺伝子とがん(2)
 
 近年、がんに関する遺伝子レベルの研究は、飛躍的に進展してきました。名古屋大学大学院医学系研究科 教授 高橋雅英先生によると、現在、がんに深く関わっていると考えられている遺伝子群には、大きくわけて3つあるそうです。
 まずは、その名の通り“がん遺伝子”と呼ばれている群。この群の遺伝子は、がんに対してアクセルのような働きします。そのため、この群の遺伝子が異常を起こすと、がん細胞をどんどん増やす役割をしてしまいます。逆に“がん抑制遺伝子”群は、細胞を増やすことに対してブレーキをかける役割なので、いったん異常が起きると、ブレーキが壊れたような状態が続く→がん細胞がどんどん増えてしまうという遺伝子群です。最後の1つが“DNA修復遺伝子”の群。この群にカテゴライズされる遺伝子は、放射線などでキズがついた遺伝子を正常な遺伝子に修復する働きを持ちますが、その遺伝子自体に異常が起きると、キズがついたままの遺伝子がどんどん体に蓄積されることになり、これも、がんの原因になってしまいます。
 この3つ群に所属する遺伝子は、たくさん発見されています。(それぞれ数十〜100ぐらい!)もちろん、その“すべての遺伝子異常に効く薬”が完成すれば理想的ですが、そのためには、膨大な時間と資金が必要で、ある意味、非現実的です。そこで、発想の転換!今では、薬の開発は、各々にターゲットを絞って“ある種の異常に特異的に効く”ことを目標に進められるケースも増えてきています。