7月9日水曜日 腫瘍マーカー(1)
 
 ここ数年で“腫瘍マーカー”という言葉自体は、すっかり定着したかと思いますが、では、改めて、この“腫瘍マ−カー”とは、いったい何なのか、どういう物質なんでしょうか?!
 東京大学医学部附属病院 放射線科 准教授 緩和ケア診療部長 中川恵一先生によると“腫瘍マーカー”は『正常な細胞は作らないのに、がん細胞は作り出す物質』のこと。主に血液の中に分泌されるんだそうです。つまり、その物質の有無や量を測定することで、がん細胞の存在や増殖を推測する“手がかり”になるわけです。がん細胞は『一種の若い細胞、子供の頃の体の細胞が作るような物質を、大人の体の中で作る』という性質がわかってきて、基本的には“腫瘍マーカー”は“たんぱく質”です。
 よく勘違いされますが“腫瘍マーカー”は1種類だけではありません。およそ100年前に“多発性骨髄腫”の患者さんの尿の中に、ある特殊な“たんぱく質”が発見され、以来、次々に新しい“腫瘍マーカー”が見つかってきました。また、血液の他に、尿や便などに現れるタイプもあります。
 ただ、厄介なのは、同じ種類のがんでも、はっきりと“腫瘍マーカー”が生産される場合もあれば、そうでないケースもあること!つまり、確かに簡易な検査で便利ではあるんですが、決して万能ではないんです。どんな検査でもそうですが、確定診断には、やはり病理検査が必要になってきます。