5月21日水曜日 放射線治療(3)
 
 先回の『定位放射線治療』に続いて、今回は、国立病院機構 名古屋医療センター 放射線科加藤恵利子先生に『強度変調放射線治療(IMRT)』について教えて頂きました。
 IMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy)は、簡単に言うと“多方面から、強さの異なるX線を組み合わせて放射線を照射する”治療です。放射線の照射口にある鉛を調整することで“強度変調”という名前の通り“強さ(強度)を変える(変調)”のが特徴。コンピューター制御の専用設備が必要ですが、IMRTなら、出来る限り正常な細胞は守りつつ、しかし、がん細胞に対しては、立体的で集中的な照射が期待できます。放射線の広がりを地図のようなモノで表示したMAPを“線量分布”と言いますが、たとえば、脊髄の近くの病巣に対してIMRTを行う場合、脊髄を線量分布の高い場所からはずしたり、がん細胞の凸凹にあわせて放射線を照射することが可能なんですね。その他、耳鼻科領域なら、治療後の唾液が少なくなる等の副作用を減らす効果が期待できますし、前立腺がんや子宮頚がんでは、近くにある直腸(放射線に強くない!)を守りつつ放射線を照射することができます。
 放射線を、100%がん細胞だけに照射することが出来れば・・・今はまだ、夢のようなハナシですが、でも、一歩一歩、夢は現実になりつつあるのかもしれません!