5月14日水曜日 放射線治療(2)
 
 先回お伝えした通り、放射線は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えてしまいます。そこで“がん細胞だけに狙いを定めて、ピンポイントで放射線を照射する”ことが、放射線治療の究極の目標ですが、様々な分野の日進月歩の技術に支えられて(中には、軍事技術の応用も!)今、放射線治療は随分ピンポイント照射が可能になってきました。
 たとえば“ガンマナイフ”に代表される『定位放射線治療』は、国立病院機構 名古屋医療センター 放射線科 加藤恵利子先生によると『従来に比べて“位置合わせ”の精度が違う。狙うところに放射線を絞り込んでいくことが可能なので、1回の線量を数倍にできますし、結果的に、全体の治療期間を短縮して効果を高められるんですよ!』とのこと!
 従来、この“位置合わせ”は、至難の業でした。これは『人間の体は、言ってみればフニャフニャしている上、タ−ゲットの位置を“再現”するのがとても難しいから』(加藤先生)です。そこで、最初は『定位放射線治療』も、位置の固定が比較的簡単な頭蓋骨の中=脳をターゲットに発達してきました。しかし、徐々に技術が進歩して、今では、首から下のがんの治療にも使われるようになっています。さらには、呼吸や心臓の拍動によって、どうしても上下動してしまう体に対し、なんと、その微妙な動きにあわせて放射線を照射する技術まで開発されました。コンピューターを使った綿密なシミュレーションをもとに精密な治療計画を作成、そして、治療がスタート・・・これが、今の放射線治療の流れです。