2018年2月25日放送

教えて!ドクター

(国立長寿医療研究センター 地域医療連携室長 西川 満則 先生)

★2月のテーマ「アドバンス・ケア・プラニング」

 アドバンス・ケア・プラニング(ACP)を広めるための取り組みとして、市民の方がACPをやりたいといった時に、それをサポートできる人材を育成したいと思っています。そこで、 ACPトレーニングパッケージというというシステムを構築して、研修会等を行っています。最初はe-ラーニングでACP(もしバナ)の知識をスライドや解説で学んでいただき、その後に研修会を行っています。研修会は1病院だけではいけないので、知多半島の7つの病院が集まって合同研修会という形で行っています。毎年100人位参加し、朝から晩までACPに必要な場面ごとのロールプレイをやり続けています。帰りにはぐったりするほどです。それだけコミュニケーションが大切なものなので、自分の体にACPのコミュニケーションが刷り込まれるまでロールプレイを行って、トレーニングをするといった研修会を行っています。患者や家族や市民にとって学ぶ機会として「もしバナカード」というゲームがあります。このゲームを使って、市民の方に「もしもの時のことを考えるきっかけを作りたい」という試みが始まっています。実は千葉県の亀田総合病院のスタッフの皆さんが海外から日本に取り込んできたゲームです。いま評判が良くて日本全国に広まっています。私どもの地域でもデイサービスの周囲の市民の皆さんとデイサービスのスタッフが一緒に「もしバナゲーム」を行う予定になっています。もしバナ(もしもの時の話し合い)を市民参加型でゲームとして行うことにより、アドバンス・ケア・プラニングという言葉を耳にする機会も多くなると思います。是非多くの皆さんにこういったゲーム等が行われる機会に参加していただきたいと思います。

スマイルリポート〜地域の医療スタッフ探訪

都築 晃 さん (藤田保健衛生大学 医療科学部 講師) 

<力を入れていること>
 藤田保健衛生大学では地域包括ケア中核センターを大学内に設置して、新しい地域包括ケアシステムのモデル作りに取り組んでいます。いつまでも健康で元気な生活を続けることを支援する必要が現在ありまして、この支援する仕組みが地域包括ケアという言葉です。私は5年前の地域包括ケア中核センターの設置からたずさわりました。そこで地元の豊明市医師会、自治会、豊明団地を管理する中部支社さんとの協力関係をつくりまして、豊明団地の中に住人さんが医療・介護の専門職から無料の相談や健康講座を受けることができる「ふじたまちかど保健室」を設置しました。今、年間で6000人近い方がご利用されて大変好評な状況です。
<心に残るエピソード>
 「ふじたまちかど保健室」では毎日30分程度のミニ講座を午前・午後に開催しております。この講座に周1、2回通っていただいている88歳女性の方がみえます。この方は独居なんですけども「ふじたまちかど保健室」ができたことを大変喜ばれていました。「今まで家で閉じこもりがちだったんだけれど、この歳になって保健室という気軽に行ける行先ができて、団地に住む若い学生さん達や他の方と話す機会が増えて最近元気になってきた。新し友達も保健室でみつかって、自分の病気にかかわる事も学べますので大変ありがたい。」という声をいただいたときは大変嬉しく思いました。
<今後の課題>
 課題は担い手の不足です。少子高齢化は日本全国どこでも進んでいきますが、都市部は急速に高齢者が増えます。特にその中で医療や介護の専門職は、急増する高齢者に対して常に人材不足です。地域に根付いた「ふじたまちかど保健室」は住民のニーズや情報収取の場でありますので、地域の声を実際に聞き、起きている現実的な課題を正確にとらえることが保健室でできます。こういった多くの医療・福祉関係者が協力して課題を解決することは、団地に住む学生さんも含めて教育にもなりますし、地域貢献にもなります。こういった取り組みは成功も失敗も含めてノウハウを蓄積していくことが、他の急速に高齢化が進む地域にも起こる同じような課題解決を助ける手段になります。こういった超高齢社会の医療・介護の人材育成の場としても、益々広がりをもっていければいいかなと思っております。