2017年9月24日放送

教えて!ドクター

(東海北陸厚生局 健康福祉部 地域包括推進課 福本 功 さん)

★9月のテーマ「地域包括ケア」
 「地域包括ケア」のこれからは、地域の方々が力をあわせて動いていくということです。他人事になりがちな地域づくりを我がこととして取り組み動いて、生きがいを見つけていただくことです。これは暮らしと生きがいをつくり高め合う「地域共生社会」です。昨年厚生労働省の中にも「地域共生社会」の設立がありました。地域住民の多様なニーズに応えるための地域コミュニティーによる支え合いです。私達行政も、今は頭が固いですが柔らかくして取り組むことを目指していきたいと思います。医療の専門の方々の支援を受けられるようになっても、介護の専門サービスを受けられるようになっても、地域から離れない、なじみの関係の継続も必要かと思います。民生委員さんとか自治会のご近所ボランティアと共に医療と介護の多くの専門職の方々みんなで支え合える地域づくりが必要だと思います。私的には時々医療、時々介護サービスを受けながら、ご本人さんも時々地域活動へ参加するということをこれからの「地域包括ケア」では考えていってもいいのかなと思っております。この放送をきいていただいている皆様方も「地域包括支援センター」等を活用していただいて、皆様の経験と知識をお住まいの地域の力にしていただいたり「地域包括ケアシステム」の構築の力の一つにしていただければありがたいと思います。

スマイルリポート〜地域の医療スタッフ探訪

松下 千波さん(看護師、国保東栄病院 看護主任)

<力を入れて取り組んでいる事>
 愛知県の東三河北部に位置する北設楽郡東栄町にある東栄病院で外来看護師をするかたわら平成27年から北設楽郡医師会在宅医療サポートセンターのコンダクターをしております。このセンターは愛知県医師会が県内すべての郡市区医師会42ヶ所にコンダクター1名を配置して、県内全域の地域ごとの在宅医療提供体制づくりの支援や在宅医療に関する相談を受け付けています。在宅医療は患者様やご家族が「住み慣れた地域で療養したい」、「終末期を自宅で過ごしたい」という思いから始まり、かかりつけ医を中心に、医療、介護、福祉、行政等、他職種と連携して一体的に提供する必要があるため、そのサポート体制をつくっています。北設楽郡はすでに高齢化率約49パーセントとなっており、高齢者の独居世帯も多く、高齢過疎地域になっています。地域資源が非常に限られているため、資源の最大限の活用と、新しくするのではなく人も物もお金もつながりも既存のものを見直し、知恵を出し合い、いかに活かすことが大切であるのかを多職種、行政、住民に少しでも理解していただき、関係者のパイプ役になりたいと思って取り組んでいます。
<心に残るエピソード>
 以前、長年病棟勤務をしている中で退院調整のための計画づくりや、ご本人やご家族と関わってきましたが、現在の仕事につくようになり、視点のずれがあったことを自覚しました。退院後の生活をどれだけ視野に入れていたのか?ということです。どんな状況でもその人らしく生活をしていたのに、退院後に今までできていたことが病気や認知症の進行、入院等をきっかけに何かしらできなくなり生活に支障がでてくることで、病状の悪化や別の病気で再入院となるケースが多くありました。医療はこの地域では限界があるため郡外の病院との連携も必要となります。しかし生活は医療も含め地域全体で支える仕組みづくりを考えなければならないと実感しました。また現在は外来勤務であり、その中で関わる在宅看取りの現場では毎回私達の学びの場となっています。病気になっても限られた医療体制の中で、この地域で自宅で最後まで住み続けたいと思う方は何を望んでいるのかを考えます。医療というよりは主治医はもちろんのこと多職種が関わり、寄り添い、ご本人やご家族が人と人とのつながりを感じられ、最後まで頑張ることができ、穏やかな最期を迎えることができたと言われる方がほとんどです。当たり前かもしれませんが、常に寄り添う気持ちで尊厳をもって接することの本当の意味の重さ、深さを看護師歴28年目にして日々感じ、考える今日この頃です。
<現場の課題>
 今後さらなる人口減少、医師、看護師不足からもこの地域の医療資源の縮小化は免れません。病院でなくとも、この地域で支えられる医療のあり方、介護のあり方を考える大切な時期を迎えています。10年後には働き手となる年代の人口減少もいちじるしくなります。そのため、高齢者の働き方や役割を考え、私達が活かし学び伝えることが高齢者の居場所づくりにつながり地域の存続になると思います。仕組み作りにおいて、行政の理解や協力は益々必要になるため、力を入れることが重要であると思っています。