2016年4月24日放送

教えて!ドクター

(名古屋大学病院 乳腺内分泌外科 診療科長 菊森 豊根 先生)

★4月のテーマ「乳がん」
<「乳がん」の予防>
 乳がんになるリスクを上げる大きな要因としては「肥満」が挙げられています。生活習慣で乳がんにならないと明らかにされているものは特にありません。乳がんになるかならないかは半ば運命とも言え、未解明な部分が多い状態です。一般的には、早く見つければまず治ると言われています。10年生存率で8割であるため、早期乳がんの場合は治る病気となっています。そのためには検診を受けることが大事です。国際的には「マンモグラフィ」の検診が標準となっています。超音波検診の有効性を検証する臨床試験が日本で行われて、その結果が最近報告されました。その結果によると超音波をマンモグラフィと併用すると乳がんの発見率がさらに上がることが報告されました。超音波は体へのダメージがなく、気軽に受けられる検査と言えます。マンモグラフィや超音波を組み合わせながら、健康な時から定期的に専門医の先生に診てもらいながら、自分の健康や乳腺・乳房に関心を持つことが大事だと思います。触診に関しては、医学的には有効性を証明しにくいです。しかし、実際の臨床の場では、日頃も自分の乳腺・乳房に興味や関心を持っている人が、医師が触ってもわからない乳がんを見つけることがあります。早期発見、早期治療が大原則です。

スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪

渡 裕也さん (クオール薬局大同店 薬局長・薬剤師)

<力を入れて取り組んでいる事>
 名古屋市南区にあります大同病院様の処方せんを応需している「クオール薬局大同店」で薬局長として「地域に少しでも貢献できるような薬局づくり」に取り組んでいます。「地域貢献」がキーワードとなります。平日は薬剤師10名、事務員5名体制の大型店舗です。日曜・祝日は救急対応ですが365日開局しております。日々、多くの患者様にご利用いただいています。地域貢献活動として「大同コンサート」というイベントを病院様と近隣の薬局様と協同で開催しています。今回は「音楽と落語」で、とても盛り上がりました。春夏の年2回開催していまして、この春でちょうど15回目となります。毎回盛況で地域の方々にも喜んでいただいています。
<印象に残った経験>
 2つあります。まずは、新人だった頃に対応させていただいた在宅の患者様です。ずっと同じ薬を飲まれている方で、薬の内容も十分理解されている方でしたが、私のつたない説明を毎回しっかり聞いてくれまして「ありがとう」と言っていただいたので、より嬉しかったです。もう1つは、指名していただいて毎回お薬をお渡ししていた患者様です。来客された時は私が必ず対応しまして、他の病院さんに行かれて薬をもらった時の相談も電話で行いまして、頼りにしていただいていました。患者様のお役に立てているなという充実感とやりがいを感じることができました。
<かかりつけ薬局・薬剤師について>
 「かかりつけ薬局・薬剤師」は、まだそれほど広まってきていないと思いますが、かかりつけを持っていただくことで、どこの医療機関にかかった場合でも同じ薬局・薬剤師が対応させていただけますのでメリットがあると考えています。3つ考えられるのですが、1つ目として「患者様のメリット」が挙げられます。現在でも「薬歴」という薬の記録で、ある程度の情報は共有していますが、同じ説明を何回もしなくてもよいですとか、毎回対応させていただくので顔なじみになるので相談しやすくなります。2つ目としては「医療機関様のメリット」です。患者様の情報をお伝えする窓口や手段が明確になりますので、薬局との連携も取りやすくなるのではないかと思っています。最後に「薬局・薬剤師のメリット」です。エピソードでお伝えしましたが、頼りにされたり、感謝されたりして非常にやりがいに繋がります。かかりつけ薬剤師になるには条件があり、誰でもなれるわけではないため、一人で多くのスタッフが経験できるように環境整備をしていきたいと思っています。