特集 CBCハウジングの紹介はこちら

特集
6/23/2010
04 機能とデザインがマッチした水周り

キッチンから見て、左の扉がパントリー、その右が洗面・バスへの入口です。「水回りとキッチンは近くしてほしいと要望がありましたから」と、建築家・丹羽哲矢さん。

また洗面・バスは「飾りつけが映えるように」とのご希望で真っ白に。「○」がデザインモチーフになっています。(撮影:多田ユウコ写真事務所)


丸くて白い洗面ボウルが2つ。「オーストラリアの家に2つあって、使いやすかったから」と、Mさん。


透明なバスの扉で、広々と。唯一、取っ手だけがオレンジなのが可愛らしいアクセントです。


洗面の横に洗濯機。棚が設けてあって、センスよく飾られています。


洗面所も明るいのは、南側の壁いっぱいにガラスブロックが使ってあるから。あたたかな光が入ってきます。


隣接して、清潔感あふれるトイレ。ペーパーホルダーも手洗いも、一つひとつ丁寧に選んであって、楽しみながら大切に家づくりをされている様子が伝わってきます。



クリックで拡大

2階平面図

最後に、リビングの階段を上がって2階を見せていただきましょう。2階と言ってもM 邸はスキップフロアになっていますから、実際は4層めの最上階になります。



クリックで拡大

断面イメージ中央
階段を上って正面が、LDKの空間に浮かぶようにつくられたバルコニールーム。今はご夫婦の寝室として使っています。窓側の壁の上部が外側に張り出しているのが、おわかりでしょうか。M邸には本当に、正方形の空間がないんですね。そのおかげで実際の床面積より広々とした空間が実現しています。

こちらは、バルコニールームからリビング方面を見たところ。壁がないみたいな、何とも不思議な景色。それは、壁がハーフミラーだから。リビングからは室内が見えないけれど、こちらからは見える。さらにミラーに周囲の景色が映って…。まるでマジックルームみたいで、楽しいんです。(撮影:多田ユウコ写真事務所)


そしてそのお隣がライブラリーとしてつくられた部屋。寝ころんだり座り込んだりして本が読めるようにでしょうか、柔らかな床。こちらは若草色の天井でやさしい感じ。(撮影:多田ユウコ写真事務所)


窓からはヤマボウシが植えてあるカフェテラスが見えます。それぞれに個性ある、でも使い方が限られない空間がちりばめられているM邸は、ご家族の成長に合わせてそれらを使いこなしていく、楽しみのいっぱいつまった家でした。


■Mさんの家づくり

 設計開始から竣工までの期間は2年。どんな感じになるのか想像したり、色を決めたりと、楽しい時間でした。その間、旅行に行っても、どこへ行っても、家の話を二人でしていましたね。こんなふうにしたいなあとお話しして、気持ちをわかってもらったら、専門家に任せるところは任せることが大切かもしれません。
1階にLDKと水周り、2階は個室という1、2階が分離した日本の家のパターンにとらわれず、どの部屋も使いこなせる家にしたいという希望がかないました。今は家の中にいろいろな景色があって、飽きません。友達とお茶をしようとしたら、それぞれが自分の好きな場所に行ってお茶をしているということもありました。住んで楽しい家ができたと思っています。


■建築家・丹羽哲矢さんから一言

 住まいは住む人の物語が生まれる場所です。物語が生まれるということは、日々生活は変化していくということです。住まいを新たに建てようとしたときに持っていたそれまでの物語は、新たな住まいができた時から次の物語へと引き継がれていくことになります。
 住まいづくりをする時に、僕がこだわっているのは、施主がどんな人で何に喜び、悲しむのかを感じとることです。その人が培ってきた何十年かの物語を一人ひとりが持っていて、そこからその人の感性は形づくられているからです。
 その人となりを感じとることで、どのような時間の過ごし方ができる場をつくるべきかが見えてくるのです。それは些細な会話から気づくことがあります。多くの場合、具体的すぎる要望よりも、何気ない一言にこそ、本当の気持ちがこめられているように感じます。
 確かに、機能的で具体的な要望もあるでしょう。しかし、それらは住まいの骨格をつくってくれるとは限らないのです。もちろん、住みづらい住まいは結局は愛着が持てないものとなりがちですし、使い勝手などの機能は満足するべきだと思っています。でも、それだけでは何かが足りないように思うのです。
 施主の中にある、むしろ断片的でたよりなく思えるイメージには言葉にできない何かが含まれていて、それら言葉にできないけれど、確かに存在する固有のイメージたちをすくいとること、それらを住まいという空間としてまとめあげ次の物語につなげることが建築家に求められているのだと思っています。
 機能的に説明できなかったり、理論的に説明できなかったりする「何か」に住まいが持つべき本質があって、それが物語を生むのだと僕は信じています。



BACK TOP PAGE